シェアの活用でポートランドがさらに自転車にやさしい街に

2017.4.28

自転車の街ポートランドで自転車シェアリングサービス『BIKETOWN』 が始まった。コンピューターとGPSを内蔵し、データを生かしたサービスを展開。ちょっとそこまでの片道ライドから観光客まで幅広い層から利用されている。

ベストの利用方法は30分以内の片道ライド

全米でも有数の自転車の街として知られるオレゴン州ポートランド。

全長480kmを超える自転車専用レーンや自転車優先道路が整備され、通勤や通学などさまざまなシーンで自転車に乗る人も多い。

そんなポートランドで2016年7月、自転車シェアリングサービス『BIKETOWN』が始まった。

旅行や出張でポートランドを訪れる人や自転車に乗ったことがない人をはじめ、より多くの人が自転車を利用し移動手段を増やすことなどが狙いだ。車の代わりに自転車に乗る人が増えれば、渋滞の緩和や環境負荷の軽減、健康の増進にもつながる。

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1000台の自転車がダウンタウンをはじめ街の中心部に100カ所設置されたステーションに配置され、どこでも自転車を借りたり返却することが可能。所定のステーションに駐輪する以外にも、サービスエリア内なら2ドルの追加料金でU字ロックをかければ乗り捨てもできる。

『BIKETOWN』を運営する Motivateのマーケティング・マネージャーTom Rousculp氏は「自転車のレンタルではなく、シェアリング」と語り、念頭に置いているベストの利用方法は30分以内の短めの片道ライドだと言う。

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NIKEのスポンサーを得て去年夏にサービスを開始

自転車のボディーを彩るのはポートランド近郊にヘッドクォーターを置く『BIKETOWN』のスポンサーNIKEの特徴的なカラー。

街なかでもひと際目をひく鮮やかな色だ。

『BIKETOWN』というのは『NIKE』とかけたネーミングでもあり、ロゴにはNIKE特有のフォントが使用されている。

ポートランドでは2007年にも自転車シェアリングの実施を目指していたが、その時はスポンサーを見つけることができなかったため、実現しなかった。

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NIKEがスポンサーなだけに台数限定のレアカラーとして『エアマックス95』や『エアトレーナー1』、『エアサファリ』などをモチーフにしたデザインの『スニーカー自転車』もある。NIKEファンにはたまらない自転車だ。

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コンピューターとGPS内蔵のスマート自転車

『BIKETOWN』では、1台ごとにコンピューターとGPSを内蔵したSoBi(Social Bicycles)の “スマート自転車” を使っている。

SoBiの自転車を使ったシェアシステムは、ポートランド以外にも全米の20カ所以上で導入されていて、大学のキャンパス内で利用されているケースもある。

利用するには、公式サイト、スマートフォンの専用アプリ、またはステーションにある端末で会員登録をして、会員プランを選択する。

プランは、30分までの1回利用(2.5ドル)、1日パス(12ドル。24時間のあいだに計180分使える)、年間パス(月額12ドル。1日90分まで使える)の3種類。

旅行で数日訪れる人に便利なのはもちろん、たとえば1年間留学する人などにも使い勝手がよさそうだ。

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1回利用券の2.5ドルというのは、バスや路面電車に乗れる公共交通の1回乗車券(2時間半有効)と同じ価格設定。いずれのプランも超過料金は1分ごとに10セント(0.1ドル)かかる。

後輪の上に太陽光で駆動する液晶パネルと操作ボタンが搭載されていて、U字ロックを解錠して自転車に乗る時は、6ケタの会員ナンバーと4ケタの暗証番号を入力する。

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GPSからのデータをフル活用

自転車自体のデザインは、誰でも街なかで乗りやすく、スピードが出過ぎないタイプ。シートは適度なクッションがきいており、高さはレバーで調節できる。

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ポートランドには傾斜のきつい坂道は少ないが、ギアも8速あるのでほとんどのエリアでペダリングも快適だ。前後にライトを内蔵していて、早朝や夕方以降の安全にも配慮している。

1000台におよぶ自転車の手入れは、特別なトレーニングを受けたサービス技術者が担当しており、少なくとも月に一度は検査しているという。もし利用中に故障などが発生した場合は、自転車の液晶画面かアプリの修理(REPAIR)ボタンを押すと、追ってスタッフが修理対応を行う。

また、システムのGPSから得られるデータをもとに、満車のステーションから台数の少ないステーションへ自転車を移して調整するチームもいる。

Rousculp氏は「自転車のGPSからは、たくさんの重要なデータを得ています」と語る。

テクノロジーやデータを生かしサービスを展開する、最先端のシェアリングサービスらしいところだ。

特に週末は観光客に人気

ポートランドの場合、気温が下がり雨の日が多い冬の間は利用者が減少するのはやむをえないところだが、去年7月のサービス開始以来、すでに合計20万回以上利用されているという。

暖かくなるにつれ、特に週末は観光客のような数人のグループがオレンジ色の自転車に乗るのを見かけることもまた増えてきた。

ダウンタウンで大規模な工事が行われる4月末からの3週間は、ライトレール(次世代型路面電車)の本数が減少し、混雑も予想されるため、地元の公共交通TriMetと連携して『BIKETOWN』の利用を奨励するという。

4月上旬には、『BIKETOWN』の自転車200台以上が破壊行為にあうという残念なニュースも報じられたが、そうした試練も乗り越え、今後も誰もが使いやすい移動手段のひとつとして定着していくことが期待される。

取材・執筆 :

シゲキ的?

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