注目のバイオハック 東洋医学的デバイスとは(後編)

2017.1.20

前回に続き、先月ロンドンで初開催されたバイオハッカーを集めたイベント「Biohacker Summit」について、バイオハッカーが注目する東洋医学的なバイオハックデバイスを紹介する。

「東洋医学」的 バイオハックデバイスも登場

HRVは自らの健康状態を知るための指標だが、イベントでもう一つ「興味深い指標」を見つけた。
これは、先日『CATALYST』で取材したバイオハッカーであるTABI LABOの久志さんも注目する「東洋医学」的な指標である。それが「磁気」。
会場で紹介されていたデバイス「miHealth」は長方形のスティック型で、腕に近づけるとからだの中を回遊している磁気の状況がわかる。
筆者の場合、「磁気」で分かったのは腰、尾てい骨の内部を痛めていること。しかも、乳製品と有害金属であるニッケルのアレルギーであること、さらに炭水化物をあまり摂らないほうがよいという診断までされたのだ。
ただし、このデバイスの難点は価格で約160万円することである。医療機関向けのため、個人が現実的に手に入れるのは難しいが、「磁気」というコンセプトは興味深い。開発には、東洋医学の専門家がたずさわっており、それで合点がいった。

Image title出典:miHealthホームページより

バイオハッカーが共有する「失敗から学ぶ姿勢」

セッションや訪れたブースで、バイオハッカーたちが口をそろえて言っていたのは、「バイオハックって、本来は要らないもの」という言葉だった。
あるスピーカーは、
「人間が自然に近い環境で暮らしているかぎりはね。だけど今は、電子機器、Wifi、ブルーライト、電磁波・・・ 当たり前に受け入れられている健康のリスクがあまりにも多い。そして都会で暮らしている人たちは特に、そのリスクを当たり前のものだと思っている。」
ある参加者にいたっては、
「ウォルマートで売られている食材を、遺伝子組み換え作物かどうか、160ドルで買った自前のデバイスで調べてから買っているよ。」と語っていた。
バイオハックのムーブメントを広げていかないといけない、そんな使命感を彼らは会場で共有し合っているようだった。
それともう一つ、彼らは「失敗から学ぶことが大切」という姿勢も共有しているようだった。
イベントの主催者はオープニングの挨拶の際、
「トラッキングした脳波の状態から、いつ自分が緊張しているか、誰と何の話をしているときに自分が頭が真っ白になってしまったのかなど、一日の生活を毎日振り返るようになった。おかげで、自分がどのようなときにコンディションが悪くなり、失敗してしまうのかが分かるようになった。逆に、失敗からしか学べない。そのためにも、まずは自分を『測る』ことをしなければ、何も始まらない。」と語っていた。
とはいえ、彼らは何も肩肘を張ってバイオハックに取り組んでいるわけではない。むしろ自然体かのように楽しんでいるようだった。
今はまだ200名規模だが、黎明期ならではこの熱気は世界中の人びとに伝播していくだろう。そう確信した。

Biohacker Summit
「バイオハックって、本来は要らないもの」の言葉の裏には、便利な世の中の影で自然とカラダに害を与えているということを思い知らされる。今回紹介したデバイスを含めて、食べ物や環境は個人が日々取捨選択している。個人のからだに何が必要かをCatalystでヒントを得て良いものを選んでいただきたい。

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