そのジム通い、逆効果かも? 有酸素運動にまつわる “3つの誤解”

2017.1.18

健康を保ちたいなら、運動の習慣は欠かせない。なかでも「有酸素運動」は、ダイエットにも良いイメージがあるためジムに通ったり、ランニングをしたりして取り入れている人も多いのでは。
ただ、この有酸素運動について多くの人に誤解されていることが3つある。それは・・・

有酸素運動はからだに良い?

・長時間続けると効果が出る
・続けるためにも強度は低くていい
・「ハイ」な状態を目指す

一番の誤解は、長時間の有酸素運動がからだにいいと思われていることだ。しかし、それは逆効果かもしれない。

アメリカ心臓協会が2006年に発表した研究によれば、マラソンを完走することが心機能不全に関連していると結論付けており、普段のトレーニング量が少ない人ほどそのリスクが高いという。

実際、1992年から2011年8月までに開催された日本国内のマラソン大会で、127名のランナーについて心臓が止まる事故が起きているというデータも・・・。

今回は、なぜ上の3つが間違っていると言えるのか、そして正しい有酸素運動とはどのようなものなのかを紹介したい。特に30分以上のランニングを自分に課している人などには気をつけてほしい。

そもそも有酸素運動って何のため?

先ほどの3つが間違っているのかを説明するために、まずは、そもそも有酸素運動が健康を保つ上で効果的とされる理由を紹介しよう。

有酸素運動とは、からだの中に酸素を取り入れるための運動である。なぜ酸素を取り入れることが健康につながるのか。それは酸素が体内の「ミトコンドリア」を活性化させてくれるためだ。

ミトコンドリアが活性化されないと、私たちのからだはエネルギーを効率的に作ることができない。

人がエネルギーを作る方法は、「解糖系」と「ミトコンドリア系」の二つに分けられる。しかしその差は歴然。ミトコンドリア系がエネルギーを作り出す効率は解糖系の約18倍。ミトコンドリアは、私たちの元気の源なのである。

そのジム通い、逆効果かも? 有酸素運動にまつわる3つの誤解

特に大人になればなるほど、有酸素運動でミトコンドリアを活性化させる必要がある。

なぜなら、ミトコンドリアが活性化されず解糖系が優位になってしまうと、からだが低体温、低酸素、高血糖の状態に陥ってしまう。その状態が続いてしまうと、ホルモンバランスの乱れや不妊、さらには糖尿病やがんなど大きな病を引き起こす可能性があるのだ。

度を越えた有酸素運動は病気をまねく

さて、前置きが少し長くなってしまったが、

・長時間続けると効果が出る
・長時間続けるためにも強度は低くていい
・長時間続けて「ハイ」な状態を目指す

という3つの誤解に話を戻そう。なぜこれが間違っているのか、それは有酸素運動は「適度」にとどめるべきだからである。

度を越えた有酸素運動は「活性酸素」を増やしてしまう。活性酸素はからだがエネルギーを作る際に発生する副産物だが、実は老化や病気を招く原因にもなりうる。「がんや動脈硬化などあらゆる病気の90%の原因にふくまれる」とも言われている。
だから、活性酸素がからだにたまりすぎる過度な有酸素運動は避けなければならないのだ。

そのジム通い、逆効果かも? 有酸素運動にまつわる3つの誤解それでは、「適度」な有酸素運動の目安はどのようなものだろうか。

正しい有酸素運動 3つの条件

もちろん、その目安は人による。なぜなら人によって心肺機能のレベルが異なるからだ。

例えば、運動する習慣があまりない心肺機能が低い人にとっては軽いウォーキングでも十分、適度な運動だ。しかし、心肺機能が高い人にとっては不十分。

つまり、自分の心肺機能のレベルによって、適度な有酸素運動の目安は決まる。
このことを踏まえた上で、以下の「3つの条件」は有酸素運動を取り入れる際に参考にしてほしい。

条件1:有酸素運動は短時間でもいい
トップアスリートでもないかぎり長時間の有酸素運動は必要ない。老化や原因の原因となりうる活性酸素を蓄積しないために短時間で実施しよう。
実践例:海外では「10 minute workout(10分間で行うワークアウト)」のプログラムが人気を集めている。そのためのスマートフォンアプリも多数配信されているので試してみるのもいい。

条件2:短時間で、しかし高い強度で行う
短時間で行うからには、ある程度高い強度で運動する必要がある。心肺機能のレベルによって個人差はあるが、目安としては「肩で息をし始めるくらい」。
実践例:よく運動する心肺機能が高い人には、短時間のダッシュがおすすめ。あまり運動しない人であれば、早歩きぐらいでも十分だろう。

条件3:「ハイ」になる前に止める
「ランナーズハイ」のような気分が高揚している状態は、実はからだにとってはネガティブ。ハイになっているとき、脳からは「ベータエンドルフィン」という物質が分泌され、からだはストレスを感じないよう「麻痺」してしまっている。すると、過度な運動をいつまでも続けてしまう。
この条件をあなたの運動習慣と照らし合わせてみてはいかがだろうか。もしくは、あまり運動をしない人は短時間の有酸素運動から取り入れてみては?
また、もし読者が何らかの症状や病気を抱えているのであれば、運動療法に長じた医師に相談するのをお勧めする。
(医学監修:渋谷セントラルクリニック院長 医学博士 河村優子)

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