CES2017 総括レポート「テクノロジーが生み出す体験の価値」が問われる時代

2017.1.20

米ラスベガスで1月5日から4日間にわたって世界最大の家電見本市「CES 2017」が開催された。50回目となる今回は、17万5000人以上の人々が来場し、注目を集めているAIやロボティクス、VR、自動運転、ドローンをはじめ人々の生活を大きく変えていく可能性を持つテクノロジーが活用された製品やアプリ、サービスなどが一同に集った。

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東京ドーム約6個分という広さに3800社を超える出展があり、すべてをくまなく見て回れないほどのボリューム感だ。

すでに商品化されているものからプロトタイプやコンセプト展示のものと、テクノロジーの最先端を見て、感じることのできる本イベント、展示会と併行して開催されたカンファレンスでもAIやロボティクスの現状・今後の活用の見通しなどのテーマが多く見受けられた。

スタートアップはフランスの存在感が際立つ

出展社の顔ぶれは知名度のある大手企業のみならず、スタートアップ企業が積極的に参加するのもCESならではだ。

Image titleEureka Park
スタートアップ企業が集まったゾーン「Eureka Park」では、中国のシリコンバレー・深センからの出展も昨年に引き続き目立ったが今回、特に存在感を出していたのはフランスで出展数も開催地米国の次に多かった。

Image titleCerevoのロボット・デスクライト「Lumigent」
日本企業ではCerevoが出展し、ロボット・デスクライト「Lumigent」がCES2017イノベーションアワードを受賞。音声認識機能を搭載し、話しかけることで自動的に点灯や折り畳みができる。無線LANに対応したカメラも備えており、両手が塞がった状態でも音声で撮影の操作ができる。

FPVの紙飛行機ドローンがアワードを受賞

ドローンに関しては、大手のDJIをはじめ多くの企業が出展。「HOOVER CAMERA」や「DOBBY」など昨年来、話題を呼んでいる小型ドローンも実演を行っていた。

Image titleSunly Techの小型ドローン
上海のSunly Techから登場した小型ドローンは、重量220グラムで4K映像の撮影が可能、そして他社よりも長い飛行時間を実現していた。現状、多くの国で規制を受けずに飛ばせるこのサイズの性能がさらに進化していけば、より多くの人にとってドローンが身近なものになるだろう。

Image titlePOWERUP FPV
またドローン部門でCES2017ベスト・イノベーションアワードを受賞したのは、 PowerUp Toysの「POWERUP FPV」。
搭載カメラからのFPV映像をスマートフォンを使ったヘッドマウントディスプレーで見ることができ、頭を動かすことで直感的に機体を操作できるという仕組みだ。ユーザーが実際に紙飛行機を作り、ボディ部分を装着して飛ばすという手軽さを実現しているので、誰でも簡単に空中からの視点を楽しめそうだ。

Image titleモデル「F91」
電気自動車や自動運転などクルマとテクノロジーとの関連性がより高まり、大手自動車メーカーが多数出展。そんな中、米ロサンゼルスのEVベンチャー企業Faraday Futureは、2018年発売予定のモデル「F91」を発表。時速60マイル(約97キロ)まで2.39秒で到達する加速性能や自動駐車機能などが紹介された。既に予約を受け付けているが、価格は発表されていない。

健康や美容関連とテクノロジーの融合も加速

Image titleアンダーアーマーのスマートシューズ
健康や美容に関連したテクノロジーもCESの大きなテーマのひとつになっている。スポーツブランドのアンダーアーマーは、内蔵チップにより走行データの記録や分析が可能なスマートシューズの新モデルと、生地に生体機能性セラミックがプリントされたリカバリー・スリープウェアを発表。CEOのケビン・プランク氏はキーノートで、さらにテクノロジーによるイノベーションを進めていくと強い意欲を示した。デバイスやシューズから取得したデータ・情報とアスリートとユーザーをつなぐコミュニティーを強化し、人々が容易に健康管理できるようにつとめたいと語った。

Image titleXenoma のe-skin
CESを主催するCTA(Consumer Technology Association)の発表によると、アメリカでの2017年のフィットネス・トラッカーの販売台数は3170万台と前年比22%の伸びが予想されている。ウェアラブルデバイスとしてはリストバンド型が定着しているが、この部門で CES2017イノベーションアワードを受賞したのは、Xenoma の「e-skin」。カメラ不要で、体の動きや姿勢をセンサーが捉えることができる。スポーツ時のフォームの分析やゲーム・VRのコントローラーなどのさまざまな用途が想定されている。着心地は従来のシャツと変わらず、耐久性があり洗濯も可能というのも画期的だ。

デバイス単体ではなく価値ある体験を生み出せるかがカギ

CES2017終了後のプレスリリースでインテルのIoT部門のマネージングディレクター、ブリジッド・カーリン氏は

「テクノロジーはデバイスとしてもたらされることだけに価値があるのではなく、それが可能にする体験に価値がある、という時代に私たちはいる。」とコメント。

デバイス単体の使い勝手や便利さだけでなく、新しいテクノロジーやデータを掛け合わせていかに人々の暮らしや体験を豊かにするのかということが今後ますます問われていくだろう。

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