2年3カ月ーー満員電車通勤が奪う人生の貴重な時間

2017.2.8

毎朝乗っている満員電車で生涯どれほどの時間を費やすのか考えたことがあるだろうか。
人生の貴重な時間を失う前に知るべき数字を紹介する。

満員電車通勤による膨大な人生の損失時間

2年3ヶ月、時間に換算して「20000時間」を満員電車通勤で過ごす自分を想像したことがあるだろうか。
もし通勤で満員電車に乗って片道1時間かけているなら、生涯「20000時間」を満員電車通勤に費やすことになるかもしれない。

計算はシンプルだ。
1日の通勤時間が片道1時間・往復2時間の場合、1週間、1年間、そして生涯の通勤時間は以下のようになる。

◇1週間で10時間
◇1年で500時間(1年を50週として計算)
◇生涯で20000時間(40年間勤務すると仮定)

これは通勤時間が往復2時間の場合。もし、片道1時間30分(往復3時間)だと生涯では30000時間、片道2時間では40000時間も費やすことになる。

20000時間と言ってもピンとこないかもしれないが、これは約2年3カ月分に相当する時間だ。
1日24時間休む間もなく2年3カ月間、満員電車通勤していると想像してみてほしい。
一度きりの人生、毎分毎秒がとても貴重な時間なのだが、都会で働く多くひとがその貴重な時間をストレス満載の満員電車通勤で失っているのだ。

国全体で失う250億時間/年

これらの数字を見ると個人レベルで膨大な時間を失っていることに気付くはずだ。
さらに国全体で見ると深刻さが際立つ。
ワシントンポストの記事は、米国全体で年間1.8兆分(296億時間=12億日=340万年)が通勤によって失われており、これはウィキペディアを300回分製作する時間、またはエジプト・ギザのピラミッドを26回建設できる時間に相当すると指摘している。

pyramid

日本では通勤者が約5000万人いるとされているので、仮に1人が1日往復2時間を通勤に費やしていると考えると、日本全体で1日当たり1億時間、1週間で5億時間、1年で250億時間失っていることになる。

参考情報:https://www.washingtonpost.com/news/wonk/wp/2016/02/25/how-much-of-your-life-youre-wasting-on-your-commute/?utm_term=.b128af4ab530

半世紀変わらない満員電車

不思議なことに2017年となったいまでも、ギュウギュウ詰めの満員電車の風景は半世紀前と変わらない。

 crowded train

もし、通勤がギュウギュウ詰めの満員電車ではなく、1人1人が快適に座れるような環境であれば、通勤時間を新たな知識・スキルの習得などに使えるのだが、直近実現する兆しはなさそうだ。

国土交通省の首都圏鉄道主要区間の混雑率調査は、昭和50年(1975年)東京圏の主要区間における平均混雑率は221%だったが、平成23年(2011年)には164%と、この数十年間で都市鉄道の混雑率は下落傾向にあると示している。

この調査で用いられている「混雑率」の目安は以下のように説明されている。

混雑率100%:定員乗車(座席につくか、吊革につかまるか、付近の柱につかまることができる)
混雑率150%:広げて楽に新聞を読める
混雑率180%:折りたたむなど無理をすれば新聞を読める
混雑率200%:体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める
混雑率250%:電車はゆれるたびに体が斜めになって身動きができず手を動かせない

混雑率がもっとも高い路線・区間は、総武線・錦糸町ー両国区間で201%。
次いで、山手線(外回り)上野ー御徒町区間200%、東京メトロ東西線・木場ー門前仲町区間199%、埼京線・板橋ー池袋区間198%、横須賀線・新川崎ー品川区間195%、京浜東北線・上野ー御徒町区間194%、中央快速線・中野ー新宿区間193%などとなっている。

自分の通勤状況はどれに当てはまるだろうか。160%台の平均値が示すように、ある程度新聞を読めるくらいの混雑率だろうか。それともまったく動けないような状況(200%以上)だろうか。

実感としてまだ200%以上の状況が多いはずだ。
これは、一般財団法人運輸総合研究所のレポートで指摘されているように、混雑率調査では各鉄道事業者が各々目視を主な手段としてデータを出しているため正確性や客観性が十分でないというのが理由かもしれない。

YouTubeなどで昔の満員電車の映像を見ることができるが、いまの状況と比べてあまり変わらない。そんな状況が半世紀も続いてきたのだから、今後すぐに満員電車の混雑率が下がるということは期待できないのだ。

一方で、テクノロジーの進化とともに世の中が急速に変化しているいま、誰でも「満員電車に乗らない働き方」を選択できるようになってきている。

もし、満員電車通勤で毎日2〜3時間過ごしているなら、生涯でどれほど貴重な時間を失ってしまうのか、もしその時間を別のことに使えるとしたら何ができるのか、少し想像してみるのもよいだろう。

取材・執筆 :

興味深かった?

bad0 good10
満員電車

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Keywords

Back Numbers

  • DRONE RACE
  • AI
  • DRONES
  • Motoaki Saito
  • Biohack
  • FUTURE LIFE
  • Singularity World
  • WORK
  • MOVE BEYOND
  • 10