「ドローンは自動化され、市場をコントロールするのは一部の人間に」堀江貴文が予測するドローンイノベーションが起きた後の未来像

2017.1.19

日本科学未来館で大規模なテクノロジーカンファレンスイベント「BreakThrough Summit2015」が開催された。初日は「Fintech」、二日目は「ドローン」をテーマに各分野の有識者をゲストスピーカーとして迎えた同イベント。業界関係者のみならず、これから起こるイノベーションに思いを馳せる多数の来場者で盛り上がった。
本記事では自身のオンラインサロンで有志を募りドローンレース協会を創設した堀江貴文氏と、マイクロソフトのエバンジェリストであり、プライベートでは12機のドローンを所有する西脇資哲氏のトークセッション「5年後、10年後のイノベーション」の内容をお届けする。

堀江貴文が予測するドローンの未来

登壇者
・モデレータ:西脇資哲 株式会社マイクロソフトエバンジェリスト
・ゲストスピーカー:堀江貴文 SNS株式会社ファウンダー

西脇資哲(以下、西脇):本セッションでは5年、10年後のドローンの未来がどうなっていくのかということでお話を進めさせて頂きます。今日のイベントではドローンの活用方法が多岐に渡り紹介されていますが、今後ドローンがホビーの領域に留まらず、我々の生活にどう関わっていくようになるのか。そこを今回のセッションでは深掘りしていこうと思います。

堀江貴文(以下、堀江):実は、この前にアイアンマンレースにでてきたんです。50キロメートルを3時間で走ってきたんですよね。それでその後、九十九里の健康ランドに入ってきましたよ。僕が出場してきたレースでもドローンが空撮に使われていました。ドローンの規制が厳しくなる1年前までは普通にどのレースでもドローンで撮影が行われていたんですよね。

西脇:今年(2015年)開催されているアイアンマンレースの国際レースでは、距離が42キロメートル以上になる競技が含まれる場合には、ドローンが飛んでいるみたいですね。

堀江:僕は今回、テレビ朝日の『しくじり先生』という番組のドローン企画の一環として、アイアンマンレースに密着されたんです。それでレース中に僕が泳いでいるところをドローンで空撮していたんですね。アイアンマンレースは水泳が3.8キロメートルなのですが、水が濁っていて前が見えづらいんです。さらにドローンだけでなくゴムボート上からGoPro撮影も行っていたので、レース中は僕とボートとが接触することが何度もあって大変でした。それで撮影者を怒ったんですが、実際にドローンの動画をみたら、僕が右に曲がってしまう癖があって。

西脇:それ、堀江さんが原因ですよね(笑)

堀江:まあ、そうなんですけど。ドローンで撮影することでそういうことも分かるよ、ということを伝えたかったんです。

西脇:なるほど。実は、いま堀江さんの目の前にあるドローンはレース中に使われていたものなんですよ。

堀江:あ、そうですよね。

西脇氏(左)と堀江氏(右)西脇氏(左)と堀江氏(右)

堀江氏が開発中のドローンのポテンシャル

堀江:このドローンって応答性が良すぎてちょっと怖いですよね。

西脇:他のドローンと比較すると飛行している際に安定が取りやすい方ですが、スイッチひとつで大きく動きが変わってしまうからそうかもしれませんね。

堀江:ぶつかったら痛そうだけど、最近YouTubeで公開されていた動画でフランスの森でドローンレースをしているものを観たのですが、そういうのに使ってみたら結構おもしろそうですよね。僕、堀江貴文サロンというオンラインサロンみたいなことやっていて、600人くらいの会員の人が月1万円払って集まっているんですけど、そこで有志を募ってドローンレース協会を創設したんです。それでドローンレースをすでに何回かやっているんです。

西脇:堀江さん自身もドローンを操作するんですよね。Phantomを飛ばした感触はどんな感じですか?

堀江:これは普通に飛ばせますね。サロンで最初にドローンレースをしたときに他の人は結構苦戦していたんですが、僕は意外とすんなり操作出来ましたね。

西脇:ここで話題を少し変えて、今日のイベントの振り返りを簡単にさせてもらいます。朝一番からデジタルハリウッド大学の杉山学長がゲストでいらしてトークセッションが行われました。その後、海外からドローンメーカーの方がいらっしゃって、トークセッションが行われました。現在、中国のドローン市場が特にさかんだそうですね。これについて堀江さんはどう思いますか?

堀江:センサーの有効性に気づいて早めにやっている人たちが多いなと思います。ドローン革命もIoT革命も、根っこはすべてスマートフォン革命なんです。要はスマートフォンに小型の処理速度の速いプロセッサーが搭載されて、そしてセンサーは何億台というスマートフォン需要に支えられたことで、一個数十円の加速度センサーやジャイロといった低価格の高性能なパーツが出現したという流れがあります。
そして、これらを組み合わせしたら姿勢制御が簡単になったと。昔からラジコンヘリというのがあったんですが、ラジコンヘリの何が一番難しかったかって、姿勢制御なんですよ。僕たちがいまドローンを操作していても発達したセンサーやジャイロが姿勢制御を勝手にしてくれるので操作がとても簡単になったんです。それにいち早く目を付けたのが、中国のそういった部品工場が多くある深センだったわけですよ。それで彼らがやってみて作ったらできちゃったと。

西脇:いま堀江さんがおっしゃったようにドローンはスマホの部品を大きくして形を変えたものなんですね。

堀江:そうなんです。これは自立的に動くスマートフォンと位置づけられるということなんですよ。

西脇:おっしゃるとおり。カメラにGPSとバッテリーがついていますし。

堀江:ディスプレイが付いていないだけ。

西脇:ただ期待値として、日本のメーカーがなんとかやってほしいということがあるじゃないですか。

堀江:日本のメーカーってノリが悪いんですよ。

西脇:そこをどうするかというところなんですよね。

堀江:そう。だから僕たちがいまつくっているんです。僕たちは最初、インターステラー・テクノロジーズっていう会社でロケットを作っていたんですけど、ロケットって飛ばすのにすごく大変なんですよ。お金も場所も確保しなきゃいけないし、許認可も煩雑。

西脇:規制とかっていうのはどうなんですか?

堀江:規制はないんですけど、一番の障壁は人材確保とか場所の確保だとかそういったところ。すごく時間がかかっていて、まだ宇宙に行けていないんです。製品化できないから資金調達もできないんです。僕のポケットマネーで全部まかなっているっていうね。

西脇:そこは余裕じゃないですか。

堀江:余裕じゃないですよ。すっごい大変なんですから。僕、ライブドアという会社と和解してお金ほとんど無くなっちゃいましたからね。とにかく、ロケット事業はマネタイズまで足が長いって思ったんです。それでね、ドローンと同じことをやっているって気がついたんです。何で気づいたか分かりますか?

西脇:え、何でだろう。

堀江:サムライインキュベートという会社があるんですが、その代表の榊原さんという人と仲良くなったんですけど、その人イスラエル行っちゃったんですよ。「何でイスラエル行ったんだ?」と思って話を聞いたらイスラエルがすっごいおもしろそうで、対談したノリで次の月にイスラエル行っちゃったんですよ。それで榊原さんに軍事産業からIT産業までベンチャーを紹介してもらったんです。その中の一社がUAV (Unmanned Air Vehicle:無人航空機)を製作している会社だったんです。

西脇:それがきっかけで。

堀江:そうなんです。それで「これ1機いくらくらいで売っているの?」って聞いたら数千万で売っているって聞いて「これはいい産業だ」って思ったんですよ。うちの既存の技術で作れると思ったので先にマネタイズできるしね。インターステラー・テクノロジーズの社長は東工大のクリエイトっていうロケットの製作・打ち上げをするサークルの人で、鳥人間コンテストの人脈があったからすぐに作れるじゃないかということで2〜3ヶ月でドローンを作ったんです。

西脇:もうすぐ飛行を迎えるそうですね。

堀江:そうなんです。日本のメーカーにはそんなノリで作れるところが無いんですよ。実際、作ろうと思えばすぐ作れるんです。

西脇:なるほど。

堀江:で、こういうのを作っている人って実は多いんですよ。大学生だったり、個人の趣味の手作り感覚でとかね。ただ、その先の事業化とか商売にしようとかができないんですよ。どこにどうやって営業をすればいいのかとか、今回のイベントの展示ブースに出したりとかね。うちのメンバーにこのイベントの出展を言ったのなんて3日前で、2日くらいでプレゼン資料作ったんですよ。つまり、そういう「やり方」が分からないんですよ。普通に大学のサークルとかでやってると、ビジネスをやっている人たちがたくさん集まるところにどうやって持っていけば分からない、そういうところが多分問題なんじゃないかと思う。ドローンメーカーが出てこない理由はそこですよ。日本でドローン作れる人なんて何万といるし、作ろうと思えばすぐ作れるんですよ。

西脇:そうなんですよね。実は今日別のセッションでドローンのマネタイズという話があったんですけど、機体を作るということは、つまり箱を作るということですから、基本的には具材がそろえば可能になる。ドローン研究の第一人者である千葉大の野波先生もおっしゃっていたのですが。ただそこにどういうビジネスをのせていくか、どう拾っていくかがポイントになるんですよね。そういうのは堀江さん、得意そうですよね。

堀江:そうですね。イスラエルにいったときに「どんなところに売っているの」って聞いたらこういうところに売ってるよって教えてもらって、日本で売っているところ少ないじゃんってね。確かに三菱重工とか大きい企業が政府から受注して一機あたり数億円で製作はしているみたいなんだけどね。普通に市販されているような手軽に買えるものはまだまだ少ないんですよね。

西脇:堀江さんの会社がつくったドローンは一機どれくらいの値段で売り出すんですか?

堀江:まだ決めてないけど、需要を見ながら考えようと思ってますよ。たくさんの人が手軽に買えるくらいの値段にしてね。

西脇:ちなみにどういう用途で使用してもらうことを想定しているんですか?

堀江:例えばインターステラー・テクノロジーズの工場が北海道の広尾郡大樹町という場所にあるんだけど、その地域って大規模農業がすごい盛んで、十勝帯広地方って日本で一番農家の平均年収が高いんですよ。大規模農業っていろんなことが必要で、例えばその土地の農作物の生育状況をモニタリングしたり、種や肥料を撒いたり、地形をモニタリングしたり航空写真を撮ったりとか、とにかくいろんな用途が考えられるんだけど、まずは農業用は需要があるかなと。あとは海洋上の監視とかもいいかなって。

西脇:今日ドローンを展示しているスペースに、漁港を監視している人もいらっしゃってました。ドローンに魚を探知するセンサーを載せましょうという話になったんですよ。

堀江:全然そういう用途にも対応できますよ。固定翼のドローンでしか出来ない部分ってあるんですよ。それだと1時間とか飛行できますし、バッテリーを積めばもっと飛行ができます。いろいろな装置を載せたりね。逆に言うと、マルチコプター型のドローンがなんとなく盛り上がっていて、人がやっていないことをやったほうがおもしろいなって思うんだよね。僕たちはこのドローンを、打ち上げたロケットの回収用にも使いたいなって思ってるんですよ。飛ばしたロケットってカプセルだけ回収するんですけど、そのカプセルにバスクリンを入れて色を付けることで上空から見てどこに落ちたか分かるようにしようと思っているんです。ドローンだったら別にロケットに最悪ぶつかってもいいので、あらかじめ落下予定地点をぐるぐる回っていて、ドローンが発見してそこに船で回収しに行くみたいなことも出来ますしね。

西脇:なるほど。ドローンのビジネスとロケットのビジネスは接点があるんですね。

堀江:接点があるというか技術的にまったく一緒ということなんですよ。ロケットはドローンよりも難易度の高い姿勢制御をしている。逆に言うと、ロケットよりも厳しくない環境での姿勢制御で済むんですよね。

ドローンのOSを制するものが未来のOSを制する

堀江:ちなみにマイクロソフトはドローンに力を入れているんですか?

西脇:良い質問をありがとうございます。マイクロソフトはドローンの機体を持っていないんです。しかし、この前にドローンのマネタイズに関するセッション(http://catalyst.red/articles/drone-monetize)でも話されていたのですが「ドローンのOSってどうなるのか」という話がありました。いまドローンって標準のOSが無いんですよ。みんなが勝手にやっている状態です。なので、いくらPCでOSを制覇したマイクロソフトでも、これだけ多様化してしまったドローンのOSに入り込むのは難しいんですよ。なので、今からドローンの市場に参入しようと言う気は全く無いんです。ただ、ドローンから送られてくる映像やデータ、それ以外のさまざまなセンサー、ビッグデータ、こういったものをどう捉えていくかというところとドローンに載せるマイクロコンピュータという市場を獲っていきたいんですよ。これらの可能性に注目しているんです。

堀江:ファルコムとかやってますよね。

西脇:そうなんです。インテルも投資してますね。パソコンが広まっていくと同時にIT業界が潤ったように、ドローンが広まっていくとIT業界も確実に潤っていくんです。

堀江:まあ、完全にマイクロソフトもインテルも確実にドローン市場に乗り遅れましたよね。要はスマホに乗り遅れたんですよね。ただ、ファルコムやアップルはうまいこと乗りましたよね。この流れに乗るということは、ドローン以外も含めたIoTと言われる領域でOSをつかむということなんですよね。ドローンだけで言っても、今後ものすごい数のドローンが出ると思います。おそらくロボットもそうでしょうし、ドローン以外の動かないものも含めて、たぶん共通のOS、共通のチップセットで動くといった形になってくるのかもしれないですね。

アメリカ発の「ドローンシェア」のスライドを背景に、議題はドローンのオープンソースコミュニティへアメリカ発の「ドローンシェア」のスライドを背景に、議題はドローンのオープンソースコミュニティへ

西脇:アメリカは比較的標準化が進んでおりまして「ドローンシェア」という取り組みが行われています。これは世界中で飛んでいるドローンを画面上に捕捉することができるんです。アメリカはドローンがオープンソースなのでこういった取り組みができるんです。私も自分のドローンを2機登録していますが、自分のフライトデータを登録することでサービスを利用することができます。実際にどういう風に使うかというと、世界地図の画面に表示されているドローンの飛行時間、飛行ルートを追跡することができるんです。
アメリカでは2035年には航空機が一日に7万台飛行するとされているのですが、ドローンはその数を上回ると言われています。これらをすべてトラッキングするのは大変ですよね。しかし、このサービスを使えば、飛んでいるドローンの軌跡を動画で確認することができます。GPSでどこを飛んだかを再現して、そこに必要な地図データをGoogle Earthから持ってきます。そうすると、飛行ルートだけでなく高度、そしてどこで写真を撮影したかというところまで見ることができます。

堀江:すごいですね。

西脇:これがなぜ可能かというと、まずひとつめはオープンソース。ふたつめにドローンの情報共有をするという文化が進んでいることがあげられます。ただ、最近始まったプロジェクトということもあり、こういったドローンシェアの取り組みはまだまだ浸透していないのが現状です。

堀江:近々ドローンは登録制になるだろうし、ドローンの航空管制の取り組みも始まっているので、ドローンシェアのような個人レベルでは収まらず、リアルタイムで航空管制とつなげるといったこともできるでしょうね。もしかしたら、自分で操縦することがまかり通らなくなるかもしれません。

西脇:あらかじめフライトプランを登録しておいて、そのフライトプランのチェックができ次第、管制官がGOを出してドローンが飛行するといった世界がやってくるということですよね。一般的にドローンが飛行する際に、飛行プランというのをあらかじめ立てる必要があるんですね。オープンソースの場合だと、あらかじめ飛行プラン、撮影ポイントをマッピングしておいて撮影した200〜300枚の写真でどこを飛んだのか推測できるので、それを立体映像にして、3Dの地図に落としていくということができるわけです。

堀江:こういうのが当たり前になって、ゆくゆくはドローンは自動操縦じゃないと運転できないという風になっていくんでしょうね。

西脇:安全などを考えると十分起こりうるんでしょうね。

堀江:僕はこれがドローンだけでなく自動車にも起こりうると思っています。20年後には公道を人間が運転することがまかり通らなくなると思うんです。

西脇:人間が運転するほうが危ないから規制しないということですか?

堀江:そうそう。速度も20キロメートル以上出せないようになるとか。そして20年後の未来を生きる若者が「20年前に公道を人間が運転していたらしいね」って噂をするようなね。今って市街に馬が走っていないでしょ。それと同じで、もしかしたら車を運転することをできるのもレーサーだけになるかも。運転していたら捕まるとかね。

西脇:なるほど。堀江さんがおっしゃっているようにドローンの規制が整備されていくことで、機体自身が登録制になって自動走行の方が安全だという流れになっていくと思います。3年とか5年後にはその形にだいぶ近づいているんでしょうね。

スマホ革命が人間の時間的スキマを埋め、ドローン革命が地球上の空間的スキマを埋める

西脇:先ほど堀江さんがおっしゃられたように、例えば5年後にドローンの自動走行や自動運転が実現されるためには既存の規制の何を変える必要があると思いますか?

堀江:別にいまなにかを無理に変える必要は無いんじゃないですか。

西脇:ドローン界隈にいる方でよく話題になるのは法規制の話とドローンを飛ばす場所が無いというふたつです。これらの意見に対して堀江さんはどう思いますか?

堀江:まず、今後ドローンは自分で飛ばせなくなるんで自由は無くなると思います。だから飛行禁止区域ができる。ただ、住宅密集区域でも許認可を得たドローンだけは飛行ができるというようになっていくんじゃないですかね。

西脇:そういう世界にするためには法律はどう変わっていくと思いますか?

堀江:そもそも航空法は高度150メートル以下の空域のことなんてほぼ考えられていないんですよ。というのは、これまでそこを利用するのはせいぜい凧揚げのときくらいだったし、厳格に規定する必要がなかったなんです。航空法に則って航空局に届け出る必要は無かったんですよ。要はスマートフォン革命によってIoT革命が起きているわけですけど、これらの本質ってこれまで使わなかった空間的・時間的スキマを埋めているということなんですよ。スマートフォンって私たちの時間的スキマを埋めているでしょ。たとえば友達と二人でごはんいって相手がトイレに行った時についつい見ちゃう。ドローンが埋めたのは空間的スキマということ。これまで飛行物体が飛んでいなかったところを埋めた。だからまったくゼロベースでこれから議論が展開されるはず。

西脇:なるほど。

堀江:航空管制に関しても本当はパイロットが乗って操縦している航空機の自動化を実現したいと思うんですよ。2015年3月24日にドイツのジャーマンウイングス機が墜落する事故があったでしょ。自動化が進むことでそういった事故も防ぐことができるんですよ。この航空管制の管理を人間の手でやるべきか自動化するべきかを決めることは大きな課題だったんですが、ドローンだったらこれまで誰もやって来なかったから、技術革新にあわせた思い切った新しい規制ができるんじゃないかって航空管制局も考えていると思うんですよね。

西脇:もうひとつ、法規制以外の課題でぜひ意見がほしいものがあるのですが、ドローンを操縦しているひとたちは比較的年齢層が高いんですよね。これについてはどう思いますか?

堀江:いや、若い人たちもやってるんじゃないですか。鳥人間コンテストも学生ばっかりですよね。鳥人間コンテストにならってドローンコンテストみたいなのもつくったら巻き込めるんじゃないですか。

西脇:学生もドローンコンテストを自発的にやっていけたらいいんですよね。堀江さん、ぜひ先導してください。

堀江:なんで僕がやらなきゃいけないんですか(笑)。冒頭でやり方は伝えたと思いますが、何も難しいことはないんですよ。だってドローンレース協会だって「やりたい人いる?」って聞いて手を上げた人にやってもらっている。それと一緒なんですよ。

西脇:そこをもっと後押しできるような場所をもっと作る必要があると思うんですよ。

堀江:飛ばす場所の問題じゃないと思うんだよなあ。

西脇:あ、場所ではなくそういった「シーン」をつくるという意味です。

堀江:ドローングランプリみたいなのをやっていろいろなカテゴリを作ればいいんじゃないですかね。例えばさっき言った固定翼のドローン向けに電力供給ができる太陽光電池パネルみたいなのを作って飛行距離をどれだけ伸ばせるかとかね。ロボコンだってまさにそうで。スマホ革命によってセンサーが安くなったので高レベルのことが気軽にできるようになった。そしてロボコンが世界中に広まってみたいな。それと同じですよ。

ドローンが普及した5年、10年先の社会の像

西脇:ではここからは来場者による質問コーナーにしたいと思います。

質問者:若い方がドローンを飛ばしていないというお話がありましたが、ラジコン業界がまさにそういう状況に置かれています。多くの若者がリアルなものに興味が無いんです。ドローンをきっかけにして若い人たちがドローンに興味を持つためにはどうすればいいと思いますか?

堀江:ホビーとしてのドローンという市場を考えているのであれば、それは視点がずれていると思います。先ほど自動運転・自動操縦の話をしたと思うのですが、僕がなぜその話しをしたかというと、これから世の中のあらゆるものが自動化されていく潮流になると思うからです。例えば自動車とか、飛行機とか、工場の組み立て・ピッキング作業・配達作業とかね。若い人たちが興味が無くなっているのは、本能的にそれを感じ取っているのではないかなと思うんです。だから、こういう分野に興味を持つ人ってほとんどが同好の士だと思うんですよ。そしてやはり年齢層は高い。だから、ドローンはホビーという面からみたマーケットとしてしか考えられないんですよ。これからドローンは「自動化」されます。そして今後は、産業化、つまりいま人間がやっている作業をいかにドローンに置き換えるかというようなビジネスの話しか、おそらくないんです。それは例えば、技術開発であったりとか、ドローンを使った事業を立ち上げるとか、今後はそういうことがドローンの論点になっていくんですよ。人間が関わっていくのってそこしかきっとないんです。そうなると、たくさんの人が関わるものではないということになる。つまり、一部の研究者・経営者で世界中の何億台のドローンが動かされるというのが5年後10年後に来るということです。

西脇:かたや、ラジコン業界にとってはホビーとして使ってほしい、楽しんでほしい。マーケットに若い人がほしいんですよね。

堀江:ホビーとしてのドローンは、ドローンレースとかそういったところで細々と生き残る。例えば乗馬が辿った歴史のような。だから、産業としてのマーケットは非常に大きいけど、それをコントロールするのは非常に小規模の人間になるということ。そしてホビーのマーケットはどんどん縮小していく。

西脇:そうならざるを得ないと。

堀江:若い人がやる部分は技術開発の部分とか、ドローンで事業を起こす、作る事業もしくはドローンをコントロールするOSを作るとかそういったことになると思います。夢とか希望があるとしたらきっとそこですね。ホビーマーケットは明らかにグローバルニッチな市場ですね。

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