【深セン】ドローン都市に潜入 水素燃料ドローンを開発したMMC社

2017.1.19

中国のシリコンバレーと呼ばれる「深セン」。ドローン都市としても知られるこの街で最も有名な企業の1つが消費者向けドローンを開発するDJI社だろう。
10年前に設立された比較的新しい企業だが、今や消費者向けドローン世界市場で約70%のシェアを占める世界的企業となった。

ドローンの都深セン

深センにはこのDJI社と肩を並べるドローン企業がいくつかあるが、産業用ドローンで躍進しているのがDJI創設者4人の一人、リュー・チュウフイ氏がスピンオフして2008年に立ち上げたMMC(MicroMultiCopter Aero Technology)社だ。

MMC社はこのほど4時間以上の連続飛行が可能な水素燃料ドローンを公開し、世界から注目されている企業でもある。

『CATALYST』取材班は深センに飛び、MMC本社で役員のリン・ルー氏に同社の世界戦略などを聞いた。

Image titleMMC社役員のリン・ルー氏

パートナーとの連携で海外事業拡大狙うMMC

MMC社が得意とするのは産業用ドローンの開発とカスタマイズ。
農業、警備、防災、軍事など各分野の知見・ネットワークがある企業とパートナーを組み、その分野の「ソリューション」を生み出すことに注力している。

Image title深セン市内にあるMMC本社

中国国内はもちろん、現在は米国、インド、インドネシアに拠点を構え、海外市場での事業拡大も見据えた戦略をとっている。

MMC社が強みを持っているのは長時間飛行が可能なドローンだ。このドローンにパートナー企業のセンサーやソフトウェアを載せ、ソリューションとして顧客に販売する。

リン氏は、特に米国では「ソフトは自分たちで開発し、ハードは中国に任せる」という役割分担の意識が明確になっており、パートナーシップを組みやすく、提携が迅速と説明する。

さらに、パートナー企業の顧客への展開も速いのが米国市場の特徴という。

一方リン氏は日本市場について「事業展開したいという思いはあるが、認定に時間がかかるなど思い通りに事が進まない」と指摘した。

MMC社はスピードを重視しているが、日本側の動きが鈍く歩調が合わないという。
また、日本市場の情報が入ってこないことも、どのようなアプローチが有効なのか分からず足踏みをする要因になっていると付け加えた。

ドローン産業育成で深セン市政府と連携

深セン市政府がドローン産業育成に本気で取り組んでいることもMMC社が世界市場で躍進する要因になっている。

リン氏によると、深セン市政府は消費者向けドローンはDJI社、産業向けドローンはMMC社と認知しており、それぞれをメイド・イン・チャイナとして売り出すために、さまざまな施策を実施しているという。

「われわれの新工場設立でも深セン市政府から支援を受けました。この工場周辺はサプライチェーンが確立していて、パートナー企業からカスタマイズ製品を作りたいという電話を受けたらですぐに対応できる」(リン氏)。

またMMC社は、政府からの指示で中国国内のドローンパイロット認定を担う組織「AOPA(Aircraft Owners and Pilots Association)」との連携でドローンパイロットスクールも開校している。

中国国内では毎年約500万人の新卒者が輩出されると言われており、パイロット育成市場もまだまだ伸びる見込みだ。

取材・執筆 :

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