時速250キロ!世界を驚かす木更津のドロニスト、最速大型ドローンの開発に奮闘

2017.1.19

ドローンがさまざまなモノを配達する時代はもうすぐそこまで来ている。

シンガポールでは国内郵便会社シングポストが10月にドローンを使った配達の実証実験を成功させ、ドローンの実用化に一歩近づいた。また、アマゾンがこのほど開発中の最新ドローンを発表するなど、多くのプレーヤーが輸送用ドローンの開発に力を入れている

木更津のドロニストが開発する大型ドローンとは?

国内では千葉大学が大型ドローンの開発に力を入れているという話を耳にするくらいで、大手企業が輸送用ドローンを開発しているという話は聞いたことがない。
市場のポテンシャルを考慮すると、輸送用ドローンの研究開発している企業は少なくないはずだが、海外に遅れを取っているのは認めざるをえないだろう。

このように国内では大型プレーヤーがいないなか、個人で大型ドローンの開発に奮闘しているイノベーターが木更津にいる。金井健さんだ。

Image title木更津のドローン・イノベーター 金井健さん

金井さんは、ドローンが話題になるだいぶ前からドローンの自作や空撮を行ってきたパイオニア。

金井さんが現在取り組んでいるのは、輸送が可能な大型ドローンの開発だが、そのドローンを世界最速にするという大きな野望も持っている。

これまでにプロトタイプを2機製作。1号機はI型で見た目がスリムなドローン。試験飛行の結果、改良が必要と分かり、2号機の製作を開始し、数日で完成させた。2号機はより安定飛行ができるH型だ。

Image title1号機のI型高速ドローン

Image title2号機のH型高速ドローン

筆者は2号機の試験飛行に立ち会った。
試験飛行のためまだフルスピードではないものの、機体の大きさ、スピード、プロペラが風を切る音に度肝を抜かれた。

世界最速といっても、ドローンのタイプやサイズなどのカテゴリごとに比較の仕方が異なり、どれくらいのスピードが出れば最速なのかは不確かだが、金井さんが目標にしている時速250kmに到達すれば、このサイズのクアッドコプター(4ローター)タイプでは現時点で世界最速になると考えられる。

金井さんのモットーは限られた条件のなかで最大のことを成し遂げること。現在入手できるパーツを組み合わせ世界最速を目指す。

現在は試験飛行を繰り返しながら制御システムを最適化している。最適化が終わった段階で、最速テストに突入する。この様子は『CATALYST』で追ってお伝えしたい。

高速輸送ドローンが実用化されれば、陸上交通インフラの整っていない地域にもたらす恩恵はとてつもなく大きなものになる。

筆者の住むシンガポールの隣には、無数の島々が点在するインドネシアやマレーシアがある。
道路や橋などの陸上インフラを整えようとすると、多大なコストと時間を要するが、輸送用ドローンが利用できるようになれば、このコストと時間を大幅にカットできるのである。

木更津をドローン開発のハブにする野望

金井さんには、世界最速ドローンを作るほかに、木更津をドローン開発のハブにしようという野望もある。

現在、秋田県仙北市など国内に「ドローン特区」を創設する動きがある。

しかし、どうしても東京圏をベースにする企業にしてみれば、遠い場所になってしまい便利とはいえない。

一方、木更津は東京都内から車で25分足らずで来れる近さだ。さらには、まだ開発の手が入っていない広大な土地を有していることもドローン開発を促進する要素になる。

Image title海ほたるを使えば東京都内から木更津は車で約25分

ドローンの実用化プロセスでは、テストフライトが非常に重要になる。
テストフライトで制御系の最適化だけでなく、安全性、耐久性などをチェックするからだ。テストフライトの回数が、ドローンのクオリティを決めると言っても過言ではない。

Image title木更津にはドローンのテストフライトで使えそうな広大な土地がある

金井さんは、東京で開発したドローンを木更津でテストフライトするエコシステムを作りあげれば、国産ドローンの開発を促進することができると考えている。

さらには、羽田空港からも近いという立地条件から、海外のドローン開発拠点とつながる可能性もある。

金井さんの考えに賛同するひとは多く、SNS上ではすでに金井さんを中心としたドローンコミュニティができている。
コミュニティには異なる専門性を持つひとたちが参画しており、多様かつ活発な議論が盛んに行われている。
このコミュニティが起爆剤となり木更津をドローン開発のハブにしようとする動きは加速しそうだ。

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金井さん

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