【ニューヨーク】パン屋さんに学ぶ〜グルフリーの取り入れ方

2017.1.18

注目の集まる「グルテンフリー」今回は、ニューヨークで人気、かつ「異端的存在」であるグルテンフリーの「ベーカリー」を紹介する。

「グルテンフリー」とは

世界のトレンドセッター的都市としても知られるニューヨークで、新たに支持され始めている「ヘルスフード」がある。それは、「グルテンフリー」だ。

「グルテン」とは小麦、大麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種。パンやパスタ、ピザ、シリアル、ケーキなど、アメリカの食卓には欠かせない食品に多く含まれている。それが「フリー」、つまり含まれていない食べ物ということだ。

日本でも豆乳で製造したソイパスタや米粉で作ったケーキなど、グルテンフリーの食品を提供する店も一部で増えている。というのも、グルテンフリーは「ダイエットに適している」と言われているからだ。健康志向の女性はすでに試したことがあるかもしれない。

そもそもグルテンは、上記穀物に含まれる「グリアジン」と「グルテニン」が水分と結合する際にできる成分。そのグリアジンには食欲を促進させる働きがあることが近年わかってきている。「食後のスイーツは別腹」なんていうが、それはこのグリアジンにより満腹感がある意味麻痺してしまうからだ。

さらに補足すると、もともとグルテンは「セリアック」というグルテンを摂取することにより引き起こしてしまう自己免疫疾患の原因とされている。セリアックを患っているひとはアメリカで10人に1人と言われており、その患者にとっての小麦の代替食品としてグルテンフリーが研究されるようになった。

それに加え、近年話題のビーガンやマクロビを実践する著名人がグルテンフリーにも注目するようになり、急速に知られるようになったようだ。「ニッチ」と「ニーズ」、両方をおさえたグルテンフリーマーケットが、いまアメリカで拡大している。自然食品スーパーとして知られる「ホールフーズ」も、グルテンフリーの製品を集めた冷蔵庫やセクションを設けるほどだ。

こうしたことからもわかる通り、アメリカにおけるグルテンフリーに対する注目度は非常に高く、それを宣伝のためのキャッチフレーズとして掲げるレストランやカフェも多い。今回は、ニューヨークで人気、かつ「異端的存在」であるグルテンフリーの「ベーカリー」を紹介する。

グルテンフリーベーカリー「by the way Bakery」(「by the way Bakery」のホームページより引用)グルテンフリーベーカリー「by the way Bakery」(「by the way Bakery」のホームページより引用)

アメリカ最大級のクチコミサイトで5段階中4.5の高評価

「by the way Bakery」は2013年に創業し、現在3店舗に拡大したグルテンフリー、またデーリー(乳製品)フリーのベーカリー。アメリカ最大級のクチコミサイト「Yelp」で5段階評価中4.5という高評価を維持。
「この美味しさで本当にグルテンフリー?」や「グルテンフリー商品をたくさん食べてきたけど、ここのケーキはしっとりしていて美味しい」など、ニューヨーカーに絶賛されている。すでに一部のホールフーズにも商品を提供している。

グルテンを含む小麦を使うマフィンをグルテンフリーに(「by the way Bakery」のホームページより引用)グルテンを含む小麦を使うマフィンをグルテンフリーに(「by the way Bakery」のホームページより引用)

グルテンを食べなければ痩せる?

小麦の代替食品としてのグルテンフリー。by the way Bakeryを訪れるニューヨーカーたちは、それの生活への取り入れ方によって「必要とするひと」と「興味で実践しているひと」に大別できそうだ。

前者はセリアックに苦しむ人びと。彼らはグルテンフリーの食べ物のオプションが増えることを歓迎している。
一方、後者のなかには、”グルテンを食べなければ痩せる” という “あやまった” ダイエット法の手段として取り入れているひとたちもいるようだ。なぜなら、セリアックに苦しむ一部のひとを除き、一般のひとにとってはグルテンも必要な栄養素の一つだからである。

たしかに、いくらグルテンフリーだからといって食べ過ぎてしまうと健康を損なうという本末転倒な結果を招くおそれはありそうだ。「グルテンフリーは食欲増進を防ぐのに有効」くらいに考えを「バランス」させ、食事に取り入れるのがよさそうだ。

「by the way Bakery」のホームページより引用「by the way Bakery」のホームページより引用

グルテンフリーをどう取り入れるか?

では、この「バランス」を絶妙に保ちながら、グルテンフリーを食事に取り入れていくとはどういうことかーー。

そのためのアイデアも、今回紹介しているby the wayから学ぶことができる。
グルテンフリーの店のなかには、徹底したダイエット志向で卵や乳製品をまったく使わない店も多い。

しかし、by the way Bakeryはあえてそうしない。消費者がグルテンフリーに求める「健康」と「美味しさ」を両立させるために、卵や砂糖を使用している。要は、ダイエットに極端にこだわりすぎると、味がおろそかになってしまいがちなのだ。

つまり、by the way Bakeryは、健康志向のひとが自分にあった食のトライ・アンド・エラーをするための新たな選択肢を提供しているのだ。by the way Bakeryの創業者はこの「健康」と「美味しさ」のバランスの難しさにチャレンジしている。結果、それがいまの好調につながっている。

飽食時代とも言われるほど味のレベルが向上した現代において、健康と美味しさのバランスを保つのは簡単なことではない。だから、やはりこれからの時代は、自分のからだに合った食を選択する知識と技術を個々人が学ぶ必要があるのだ。

一見グルテンフリーだと分からない、食欲をそそるクッキーが店頭に並んでいる(「by the way Bakery」のInstagramアカウントより引用)一見グルテンフリーだと分からない、食欲をそそるクッキーが店頭に並んでいる(「by the way Bakery」のInstagramアカウントより引用)

元弁護士の創業者の思い

最後に余談にはなるが、by the way Bakeryの創業者は元弁護士。大企業の顧問役を勤めていたようなビジネスエリートだった。
あるとき、「弁護士とはまったく異なる仕事をしたい。自分が属するコミュニティとより直接的な関わりを感じて生きていたい」と思い、フードビジネスに着目。

なかでも、健康志向が高まるニューヨークにもっとも貢献でき、今後需要が拡大すると見込んだグルテンフリービジネスを選択したそうだ。
いままで関わることもなかったより多くの「隣人」に貢献するために、美味しく、安心で、健康なベーカリーの可能性を追求できる毎日が楽しくて仕方がないそうだ。ニューヨークを訪れる機会がある際には、ぜひ立ち寄り、創業者のパッションに触れてみたい。


by the way Bakery (http://www.btwbakery.com/)

取材・執筆 :

興味深かった?

0 0
gluten-free-nyc

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Keywords

Back Numbers

  • DRONE RACE
  • AI
  • DRONES
  • Motoaki Saito
  • Biohack
  • FUTURE LIFE
  • Singularity World
  • WORK
  • MOVE BEYOND