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古代文明より受け継がれるメキシコのスーパーフードに迫る

高度な文明の中で約8000年続くトウモロコシ文化

メキシコ合衆国は長い歴史が息づく国である。2万年前以上の遺跡も発掘されており、古代からオルメカ文明、マヤ文明、アステカ文明といった高度な文明を築いてきた。

メキシコの人々の主食であるトウモロコシはメキシコ原産で、紀元前6,000年頃から栽培が始まったとされている。トウモロコシ食文化の発展に寄与したのが「ニシュタマリゼーション」という技法だ。トウモロコシや穀物をアルカリ処理して果皮を取り除く手法で、このプロセスにより栄養素の吸収を高めることができる。

実はトウモロコシはアルカリ処理しないとナイアシンはじめ栄養素の吸収が難しい。ナイアシンはビタミンB群のひとつで、ナイアシン欠乏により皮膚疾患であるペラグラを引き起こす。

コロンブスは15世紀大航海時代にトウモロコシをヨーロッパに持ち込んだが、このニシュタマリゼーションを知らなかったためにヨーロッパでペラグラ患者が増加してしまった。メキシコでは紀元前2,000年頃よりこの手法を用いてきた。先人の知恵のおかげでトウモロコシを主食とすることができたのである。

メキシコのスーパーフードとは?ノパールや昆虫食がメキシコ人を魅了しているワケ?

食だけでなく、メキシコの人々の健康法・民間療法に欠かせない素材がある。ノパールだ。ノパールはスペイン語でウチワサボテンのことで、丸く平たいウチワ状の茎がいくつにもつながった形をしており、その形状がミッキーマウスのモデルとなったという一説もある。メキシコでは古くからノパールを食用として、天然の薬として、日々の生活に用いてきた。近年のリサーチからは様々な科学的エビデンスが明らかとなっている。まさにメキシコのスーパーフードといえよう。

メキシコでは日本と同様に昆虫食の伝統がある。メキシコシティーなど都市部のガストロノミックなレストランにおいて、昆虫食が「高級グルメ」として人々を魅了していることはとても興味深い。

永田町にある駐日メキシコ合衆国大使公邸を訪問し、カルロス・アルマーダ駐日メキシコ合衆国全権特命大使、マーラ・マデロ夫人にメキシコの多様性あふれる食とその文化について伺った。メキシコは先住民から受け継いできた伝統と、そして大航海時代にスペインが持ち込んだヨーロッパはじめアラブなどの文化が交錯し、さらなる多様性あふれる文化を発展させた。これから5回にわたり、そのユニークな魅力をお届けしたい。

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