ストレス空間からリラックス空間にーー進化する「移動」の要、空港

2017.3.23

「空の移動」に欠かせない空港。20年後には年間旅客数が70億人を超えるとされているなかで、空港はテクノロジーと融合しながら急速に進化を遂げている。どのような進化を遂げているのかその全貌に迫る。

爆発的に増加する未来の航空旅客数

72億人。

この数字は何を表しているのか。世界人口数に近いこの数字、実は20年後の世界の年間航空旅客数だ。

国際航空運送協会(IATA)によると、2016年の年間航空旅客数は38億人だった。
この数字は年間3.7%の増加率で増えていき、2035年には2倍の72億人に達するという。
中国、インド、インドネシアなど人口数の多い国々の需要が急速に高まることが主な理由だ。

こうした需要の高まりに、供給側である航空会社や空港は先端テクノロジーを活用し、創造的なアイデアで応えようとしている。

「空の移動」はテクノロジーと融合しながら、どのような進化を遂げていくのだろうか。その未来を覗いてみたい。

テクノロジーと融合する空港、「待ち時間」ストレスを減らせるか

海外旅行なら通常2時間前には空港に到着し、チェックイン、手荷物検査・セキュリティチェック、出国審査を受け、やっと搭乗できる。

チェックインで待ち、手荷物検査でも待ち、出国審査でも待つ。

とにかく空港では搭乗まで「待つ」時間がながすぎる。

未来の空港では、そんな煩わしさはなくっているだろう。

チェックイン、手荷物預け入れ、セキュリティチェク、出国審査、ほとんどのプロセスが自動化されるはずだからだ。

チェックインに関して、世界の航空各社が自動チェックイン機を導入、日本でもANA、JALともに自動チェックイン機を導入しており、便利さを体感したひとは多いはずだ。

ロンドン・ヒースロー空港(ターミナル2)では、どのキオスクでも利用航空会社に関わらず搭乗券を発券し、手荷物を預けることができるサービスが導入されているという。

現時点ではチェックインは概ね自動化されスムーズだが、その後の手荷物検査・セキュリティチェックで長い行列に並ばなければならない。

米ニューアーク・リバティ国際空港では、待ち時間30%削減する手荷物検査システムを導入し注目されている。

通常1人ずつ行なう手荷物検査だが、数人分の手荷物を一度に検査できる仕組みだ。

このほかにも、最先端スキャン技術を活用した検査システムを導入し、検査にかかる時間を半分にしたという航空がある。

シンガポールのチャンギ空港では、手荷物検査・セキュリティゲートが搭乗口ごとに設けられており、他の空港に比べ待ち時間はかなり短くなっている。

また、チャンギ空港では出国審査も自動化されており、非常に快適な空港体験ができるようになっている。

自動化ゲートがパスポートを読み取り指紋を認証するだけなので、所要時間は30秒ほどしかかからない。

このほかにも、羽田空港で空港内移動支援や旅客案内を行なうロボットの実証実験が始まるなど、空港はさまざまなテクノロジーと融合しながら進化し、待ち時間のストレス解消に向けて動いている。

ストレス空間からリラックス空間に進化、さらにその先へ

待ち時間がなくなると、その時間を有意義に使いたいと思うようになるだろう。

世界各地の空港はこの要望にも答える準備ができているようだ。

1つは利用者の身心の健康を増進するためのサービスや施設を開設する空港が増えている。
フランクフルト空港では2016年1月、利用客が搭乗前にリラックスできるうようにターミナル内にヨガルームを開設した。

yoga

ヨガルームの設置はフランクフルト空港だけでなく、米シカゴ・オヘア国際空港、フィンランド・ヘルシンキ空港などでも開設されており、ちょっとしたトレンドになっている。

オーストラリア・シドニー空港では、フィットネスウェアブランドの「ローナジェーン」と提携し、ターミナル内に健康増進を目的とした「アクティブルーム」を開設、ヨガやストレッチセッション、健康食の提供などを行っている。

このように空港はさまざまな取り組みを通じてストレス空間から「リラックス空間」に変身しようとしているのだ。

これらがいま起きていることだが、この先空港は1つの「都市」として大きなスケールで進化するかもしれない。

過去、港、道路網、鉄道網など都市の発展には常に移動ネットワークが重要な役割を果たしてきた。世界各国ではこの役割を空港にシフトし、空港を中心にした都市を開発しようとする動きが活発化している。商業施設、ビジネス地区、居住地区、交通網、ホテルなどの都市機能が空港を中心に整備される。

アムステルダム、ドバイ、パリ、香港、上海、北京、バンクーバーなどではすでに空港都市計画が進行中と言われている。

これらの空港都市が完成するにはまだ時間がかかるだろうが、世界中に空港都市ができたときには、あたかも電車移動するように、より気軽に国際都市間を移動できるようになっているかもしれない。

取材・執筆 :

シゲキ的?

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