テクノロジーが脳とつながる未来-シンギュラリティ-#07

2017.1.19

第6回では、まもなく脳とコンピューターがつながる世界がやってくることをお伝えした。
人間同士が言葉を介さずコンピューター上で意思の疎通ができる世界。これは、地球上の全人類がコンピューターを介してつながることが可能になるということだ。
全人類がつながるとなにが起こるのか。これはレイ・カーツワイル氏の言う「第5段階」でもある。今回は、その真意についてお伝えしたい。

第5段階の到来 テクノロジーと人類の融合

渡辺 健太郎(以下渡辺):言語が要らなくなるとどうなるんでしょう。議論というのは言葉を介したやり取りを通して脳のなかでコンセンサスを産んでいくと思うのですが。

齊藤 元章(以下齊藤):これは階層の話になるんですよ。
どういうことかと言いますと、我々の1000億個の脳細胞と100兆個のシナプス結合でつくられているコネクトーム、その1つ1つの神経細胞って実はものすごく個性豊かなんです。

我々のなかに意識は1つしか存在しないと思いがちですけど、それは誤解で、1000億個の神経細胞が毎回多数決を取っていたりします。

渡辺:いろんなアイデアが出て、それからどれをチョイスするのかという構造ですよね。

齊藤:これは人間とすごく似ていて、選挙のときみたいに賛成するひと、反対するひと、棄権するひとがいて、それが刻々と行われているんですね。

何が言いたいかというと、1つ1つの人間の脳が細胞の1つ1つになる。地球上に73億個の神経細胞があるということになるんですよ。

73億人の1000倍くらいの数、といっても高々数兆個くらいなわけですが、その中継地点にブレイン・コンピューター・インターフェースに相当するハブを設置して、そこにシナプス結合的なものが無線接続で構成されると、73億人によるアーススケールの巨大なコネクトームができることになります。

それでも、1人1人の人間が生活する状況は今とはなんら変わりはないんです。
無意識でありながらも、でもちゃんとつながっていて、たとえば太陽フレアの危険が迫っているというときは、それについて問題意識があるひとたちは意識を集中させて考える。
要は73億人の知恵が結集されて、そこに新しい次元の、圧倒的な高次の知性が生じるんです。

渡辺:それはイメージできますね。小さいころなんとなく感じたり、そういうテーマのSF映画もありましたし。それはいわゆるレイ・カーツワイル氏がいう「第5段階」の世界なんですか。

齊藤:そうですね。第5段階で私たち生命体とテクノロジーが融合していきます。その結果として、新しいレベルの知性が生じることは確実です。

渡辺:地球の意識というか知性が1つになる世界ですよね。

脳がコンピューターに繋がると、言語の壁を超えた全人類ネットワークが構築され、地球全体を1つとした知性が誕生するという。
これがレイ・カーツワイル氏のいう「第5段階」なのだ。
SFのような話で信じられないというひともいるかもしれないが、脳とコンピューターがつながるのは時間の問題。常識を取っ払った議論が必要だろう。
次回は「第5段階」の先にある宇宙に知性が満ち渡るという「第6段階」についてお伝えする。

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