【上海】アジアで盛り上がる国際ドローンレース 大会で見えた日本の課題

2017.1.23

米国では国際ドローンレース協会(IDRA)とスポーツチャンネル大手ESPNが提携し、2016年8月にニューヨークで開催された全米ドローンレース大会をリアルタイム配信するほか、その後も番組として放送している。
欧州でも、欧州日産が日産スポーツカー「GT-R 2017年モデル」のPRビデオに、同社が開発したレースドローン「GT-R ドローン」を登場させたり、大手家電量販店がテレビコマーシャルにドローンレースシーンを使用するなど、大手企業のプロモーションに活用されるほど認知され始めている。
アジアでもこのトレンドは例外ではない。7月23・24日に中国・上海、7月29〜31日に秋田県仙北市、8月6・7日に韓国・釜山とマレーシア・クアラルンプール、8月13・14日に中国・深センで立て続けに国際大会が開催される予定だ。
日本でも、東京放送、GYAO、よしもとクリエイティブ・エージェンシー、BIGFACE、電通の5社が共同でドローンレースを始めとするコンテンツ開発プロジェクトを発足、各社共同でドローンレース・競技の普及発展、エキストリームエンタテイメントのコンテンツ開発などを行っていくことが発表された。
7月23・24日に上海で開催された「Asia Cup Shanghai 2016」には筆者も参加し、その盛り上がりを肌で感じることができた。
この大会では、先日の大会レポートでもお伝えしたように韓国勢が圧倒的な力を見せつけた一方で、日本チームは苦戦を強いられたものとなった。
日本と韓国の違いはどこにあるのか。上海大会で見えた日本の課題とは。

ドローンレース上海大会で見えた日本の課題

韓国と比べて見えてくる日本の課題は大きく「個人スキル」と「チーム連携」の2つに分けられる。
個人のフライト技術は練習量に比例する。その練習も、本番のレースを想定した複数人による実践形式、かつレース本番をシミュレーションしたコースでの練習ができるかがカギだ。
上海レースに参加した国内トップクラスパイロットの横田淳さんも「飛行規制の多さと練習場所がないこと」が課題と指摘する。
規制に関して、日本国内ではFPV(1人称視点)で目視外飛行する場合、目視外飛行申請が必要になる。練習の度に申請するのは現実的ではなく、目視での飛行または、シミュレーターでの練習になってしまうという。
一方、韓国では目視外飛行でも飛ばしたいときにドローンを飛ばせる環境だ。上海大会で優勝したミンチャンさん、そして2位のヨンロクさん(韓国)らは、親のサポートもあり車で自宅近くの空き地で練習しているという。

Image title上海大会で優勝したミンチャンさん エンジニアである父親(写真左)が徹底サポート

韓国ではソウル近郊にある空き地などが練習場所として使われている。一方、東京でドローンを飛ばせる空き地などは存在しないと言っていいだろう。これは必然的に、千葉や埼玉、群馬など他県に足を運ばなければならないということだ。室内でも練習は可能だが、レース本番を想定する場合、本番コースに相当する広さが求められる。
チーム連携に関して、上海大会レポートで説明した通り今大会の遠征で韓国チームは「ディレクター」「エンジニア」「パイロット」の役割分担がなされており、パイロットが大会本番での飛行に100%集中して実力を発揮できる環境が整えられていたというもの。

Image title韓国チーム

これは韓国がドローンレースをプロスポーツとして発展させていこうとする意思の表れのように見える。
また8月6〜7日に韓国・釜山で開催されたドローンレースでは、ドバイには及ばないものの賞金総額2万5000ドルが用意されていた。アジア圏の国際ドローンレースではこれまでで最高額となる。ドローンレースに可能性を見出しているスポンサーが多いということだ。
このところIT産業やロボティクス産業振興に注力する韓国。ドローンも例外ではない。こうした韓国の取り組みから日本が学べることは多いはずだ。

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