「移動」手段も共有する時代にーー拡大するシェアリングエコノミー

2017.3.21

テクノロジーの進化を背景に拡大しているシェアリングエコノミー。
拡大する背景にあるものとは。「移動」のシェアで社会はどう変わるのか。

未来に向け加速する世界の変化

新産業革命、プレシンギュラリティ、そしてシンギュラリティへと世界は大きく変わろうとしている。その大変化はある日突然起こるものではなく、連続的な変化の積み重ねを経て実現される。

いまを生きる私たちにとって重要なのは、その連続的変化がすでに起こり始めていることに気付くことだ。

テクノロジーの進化を背景に拡大しているシェアリングエコノミーもそんな変化の1つと言えるだろう。

シェアリングエコノミーを代表するといわれるUberやAirbnbは、以前『CATALYST』で紹介したエクスポネンシャル組織(エクスポネンシャルとは)としても知られている。これらは、短期間で圧倒的な成長を実現し、社会に大きな変革をもたらしている企業だ。

このようなエクスポネンシャル企業の活躍を背景に拡大するシェアリングエコノミー。今回は、この新しい経済の仕組みが拡大する背景、そしてそのなかで特に「移動」の社会的な影響について考えてみたい。

シェアリングエコノミーとは

シェアリングエコノミーとはどのような経済なのか。
シェアリングとは英語のshare(共有する)という単語から来ている。自分の所有する資産、特にあまり使っていない資産を誰かと共有し、その対価としていくらかの金銭をもらうという新しい経済の仕組みだ。

ただ、金銭のやり取りが発生することから「シェアリング」という言葉は不適切で、「ピア・ツー・ピアエコノミー」や「トラストエコノミー」などがより適切と指摘する専門家がいることも知っておくべきだろう。この記事では一貫性を持たせるためにシェアリングエコノミーの名称を使っている。

代表的な分野は、金融、スキル、空間、乗り物、音楽・動画などだ。これらの分野を合わせた世界の市場規模は2013年は150億ドル(約1兆7000億円)しかなかったが、2025年には3350億ドル(約38兆円)に拡大する見通し(PwCレポート)。

この予想を裏付けるかのように世界ではさまざまシェアリングプラットフォームが生まれ、それを活用するユーザーも増えている。

ライド共有サービスUberの2014年の年間ユーザー数は1億4000万人、これは月間換算だと約1200万人。2016年末には月間ユーザー数4000万人まで拡大している。

シェアリングエコノミーが拡大する背景にあるひとびとの志向

さまざまなプラットフォーム上で、空間、乗り物、モノなどの共有が増えるのは、需要があるからにほかならないが、それはひとびとの考えが大きく変化していることを物語っている。

車、住居、モノなどは所有する必要はなく、シェアで十分だと考えるひとが多くなっているのだ。

資源の奪い合いを助長してきた資本主義経済だが、多くのひとびとがその限界に気付き、ライフスタイルを変え、少しでも地球環境の持続可能性に貢献しようと考え始めている。
新しいものを買って所有するのではなく、「必要なときに必要なだけ利用しよう」と考え、その一環でシェアリングサービスを利用しているといえるだろう。

こうした志向は「働き方」や「ライフスタイル」の変化にも反映されている。
よりよいモノを所有することがステータスだった時代、多くのひとはお金を稼ぐために身を粉にして働いた。

物欲が原動力となり経済が動いていたが、物欲を満たすことでは心が満たされないことを知り、ひとびとは精神的な充足を求めるようになった。
結果、余計なモノを買うために働くことはやめ、生活のための労働は必要最小限にし、家族との時間や熱中できることへの時間を増やそうとするひとが増えているのだ。

シェアリングエコノミーが解決する「移動」の問題

シェアリングエコノミーの発展を「移動」という側面から見てみると、社会課題の解決に必要不可欠であることが分かる。

特に、日本を含む高齢化の進む先進国でシェアリングエコノミーはさまざまな問題解決につながると期待されている。

高齢化の問題が深刻な地方では、人口減少もあり行政だけでは公共交通を維持するのは非常に難しい。そこでライド共有サービスなどを使い、財政に負担をかけず地域活性化を目指す取り組みが始められている。

リクルートが始めた「あいあい自動車」もそんなサービスの1つだ。
このサービスは、地域住民が自動車を共同レンタル、その車は誰でも運転することができるが、高齢者からの希望があった場合、送迎するというもの。高齢者は配られたタブレットを使い、運転者とのマッチングを行なう。

 

取材・執筆 :

シゲキ的?

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