シンギュラリティを語る上で欠かせないー世界的権威レイ・カーツワイルとは

2017.1.20

シンギュラリティを語る上で欠かせない存在「レイ・カーツワイル」。未来預言者であり、シンギュラリティを提唱した人物だ。彼が予言する未来、どんな未来が待っているのだろうか。

世界的権威レイ・カーツワイルとは?

人工知能を語るとき必ず引き合いに出されるレイ・カーツワイル氏とはいったいどのような人物なのだろうか。
なぜ人工知能の世界的権威と呼ばれているのか。

Image titleレイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)、本名レイモンド・カーツワイル(Raymond Kurzweil)、1948年生まれ(68歳)

フォーブス誌やウォール・ストリート・ジャーナル紙など大手メディアに頻繁に登場するレイ・カーツワイル氏。彼はもともと未来予測の精度の高さで注目を集めていた未来科学者(フューチャリスト)でもある。

彼は、1990年に発刊された著書『The Age of Inttelligent Machines』で情報テクノロジーの発展がソビエト連邦を崩壊させることや、インターネットの普及を予測。

また、1999年発刊の『The Age of Spiritual Machines』では、スマートフォンの登場や、iOSのSiriのようなパーソナルアシスタントの登場を予測していた。

そして現在注目される最大の理由が、2005年発刊の『The Singularity is Near(邦題『ポスト・ヒューマン誕生』)』で明らかにした、2045年に世界は「シンギュラリティ」に到達するという予測だろう。

レイ・カーツワイル氏の予測するシンギュラリティ(技術的特異点)とは、人工知能が地球上でもっとも賢くなり人類を凌駕し、人工知能が技術進歩を担い、人工知能がより賢い人工知能を生み出すサイクルを生み出す点のことだ。これ以降、技術発展は爆発的なスピードとなり、正確に予測することが不可能になる、そのため「特異点」なのだという。

このほかに同著のなかでは、2015年までには掃除ロボットが部屋を掃除するようになること、2018年には1人の人間の記憶容量と同程度の10テラバイトのコンピューターメモリーが約1000ドルになること、などかなりの精度で予想を立てている。

シンギュラリティが起こる背景には「収穫加速の法則(The Law of Accelerating Returns)」が働いているというのがレイ・カーツワイル氏の主張だ。
『The Age of Spiritual Machines』で提唱された「収穫加速の法則」とは、テクノロジーを含むさまざまな進化システムにおける進化スピードは、指数関数的(エクスポネンシャル)に増幅する傾向があるというもの。人類は言語、哲学、科学プロセス、観測方法でより効率的に物事を学び、より多くのことを発見し、これらがテクノロジーの進化スピードを指数関数的に高めるとされる。

レイ・カーツワイル氏の未来予測は、シンギュラリティだけでなく、脳とクラウドがつながる可能性、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーの進化で人間が不老不死になる可能性、宇宙レベルのコンピューターネットワークができることなど、物議をかもすものが多い。

レイ・カーツワイル氏の主な未来予測『The Singularity is Near』より

2020年代
・ナノテクノロジー革命で人間がこれまでの生物的限界を超える
・ロボティクス革命が起き、人工知能(強いAI)がチューリングテスト(機械が知的であるのかのテスト)をパスする
・医療用ナノボットが詳細な脳のスキャンを行う
・血流に入り細胞を採取できるナノボットが登場する。これにより人間の栄養摂取のあり方が変わる
・仮想現実(VR)の精度が非常に高まり、現実との区別がつかなくなる
・ナノテクノロジー革命による人間の身体の拡張「ヒューマンボディ2.0」が起こる。脳の拡張や骨など身体の強化が可能になる

2030年代

・人間はソフトウェアベースになり、意識をクラウド上にアップロードできるようになる
・ナノマシーンを直接脳に注入できるようになり、それらが脳細胞とやりとりできるようになる。これにより外部装置を使うことなく完全な仮想現実世界に入ることが可能になる
・脳内のナノマシーンが、認知、記憶など人間の能力を拡張する。また、脳をコンピューターにつなげ、テレパシーのようにほかのひととコミュニケーションをとることができる
・「ヒューマンボディ2.0」から「ヒューマンボディ3.0」へ。ナノテクノロジーを応用し、人間の身体や外見を変化させることができる

2040年代

・人びとはほとんどの時間を仮想現実の世界で過ごすようになる(カーツワイル氏は映画『マトリックス』のディストピア感がない世界と説明している)

2045年

・世界はシンギュラリティを迎える

2045年以降:宇宙の覚醒

・人工知能が地球全体を1つとしたコンピューターをつくりだす
・人工知能が地球を飛び出し、太陽系、銀河系、宇宙全体を1つとするコンピューターをつくりだす

レイ・カーツワイル氏来日記事
http://catalyst.red/articles/ray-kurzweil

プレシンギュラリティを提唱するPEZY Computing 社長 齊藤元章氏との対談記事
http://catalyst.red/articles/saito-watanabe-talk-1

取材・執筆 :

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