シンギュラリティ大学に突撃取材ー世界中のトップレベルの人々が集結する理由

2017.1.20

「エクスポネンシャル・テクノロジーを駆使したビジネスで世界の10億人にインパクトに与える」
シリコンバレーのグローバルコミュニティ「シンギュラリティ大学」は、このミッションを実現するパイオニアの輩出に力を入れている。
人工知能の世界的権威レイ・カーツワイル氏とXプライズ財団CEOのピーター・ディアマンティス氏が創設者であることに加え、ファクルティーにシリコンバレーの大物たちが名を連ねていることもあり世界中の起業家、大企業幹部、先端テクノロジー研究者らの注目を集めるコミュニティだ。
ここでは、さまざまなプログラムを通じて3Dプリント、バイオテクノロジー、ロボティクス、人工知能など先端テクノロジーを駆使してグランドチャレンジ(地球規模の重大課題)を解決しようと数々のビジネスが生まれている。
シンギュラリティ大学は、NASAの敷地内にあり、Google創設者のラリー・ペイジ氏が自転車で立ち寄るような環境で、先端テクノロジーを学び、それを活用しビジネスを創出をするというプログラムの魅力は非常に高い。
日本でも少しずつ名前が知られるようになってきており、プログラムに興味を持つひとは増えている。
『CATALYST』取材班はシリコンバレーに飛び、シンギュラリティ大学の広報担当者ダイアナ・マーフィー氏に、日本からシンギュラリティ大学の取り組みに参加する方法を聞いた。

シンギュラリティ大学の3つのコア活動ー1つ目は「教育&サミット」

Image title

マーフィー氏は、シンギュラリティ大学では3つのコア活動があり、それぞれに日本から参加することができると説明してくれた。

3つのコア活動とは「教育&サミット」「シンギュラリティ大学ラボ」「グローバルコミュニティ」だ。

「教育&サミット」は教育プログラムとサミットにより、先端テクノロジーの認知とその活用機会について啓蒙する取り組みだ。
教育プログラムでは、個人で参加できるものと組織で参加できるものがある。

個人で参加できるプログラムは「グローバル・ソリューション・プログラム(GSP)」と「エグゼクティブ・プログラム」の2つ。

GSPは、毎年夏に開催される10週間のプログラム。20代、30代の起業家や研究者の参加が多いという。

募集人数は約80人。
そのうち、20人ほどは、シンギュラリティ大学のローカルチャプター(各国支部)が各国で開催するビジネスコンペティション「グローバル・インパクト・チャレンジ(GIC)」の優勝者たちだ。

そのため、一般応募は60人ほどの枠となる。

この60人ほどの枠に毎年3000〜5000人の応募がある非常に人気の高いプログラムだ。

一方、シンギュラリティ大学東京チャプターを運営するエクスポネンシャル・ジャパンがソニーをパートナーに、日本で初となるGICを開催することが決まっており、日本からもGSPに参加できるチャンスは大いにある。
これまでGSPに参加した日本人はまだいないため、今回のGICの優勝者は日本人初のGSP参加者となる。

GSPの参加者は、チームを組み、先端テクノロジーを活用し、グローバルレベルの課題を解決するビジネスプランを作成する。

テーマは、教育、水、健康、災害などシンギュラリティ大学がグランド・チャレンジと定義する課題だ。

優秀なビジネスプランを作成したチームは、プログラム後に起業し、計画を実行できる資金や環境が与えられる。

一方、エグゼクティブ・プログラムは主に大企業の幹部向けの1週間のプログラムで、年間7回開催される。

エグゼクティブ・プログラムでは、GSPのように新しいビジネスアイデアを考えるのではなく、先端テクノロジーが既存の業界にどのような影響を与えるのか、また自社で先端テクノロジーをどう活用できるかを考えることに重点を置いている。

このほかには企業向けのカスタムプログラムがある。

サミットは「グローバル・サミット」のほか、金融、製薬、製造の分野ごとに開催される。

グローバル・サミットは毎年、世界の主要都市で開催されるもので、2016年はサンフランシスコで開催された。
2017年はアジア初となる東京での開催(2017年9月の予定)が決まっている。

グローバル・サミットには、カーツワイル氏やディアマンテス氏だけでなく、著名なイノベーター、投資家、ビジネスリーダーが一堂に会することから注目度は非常に高い。

2つ目の軸「シンギュラリティ大学ラボ」

シンギュラリティ大学のコア活動の2つ目は「シンギュラリティ大学ラボ(SUラボ)」だ。
SUラボのコーディネーター、ミハイル・ホルスト氏が詳細を説明してくれた。

Image titleミハエル・ホルスト氏

SUラボは、グランドチャレンジを解決するビジネスを支援する、インキュベーターとアクセラレーターの機能を合わせ持ったコミュニティ。

インキュベーション機能を担うのは「LaunchPad」。GSPで生まれたビジネスアイデアを具現化するための8週間のプログラムだ。

一方、ある程度基盤が整ったスタートアップ企業には「SU Labs Startup Accelerator」というプログラムが用意されている。
これらのプログラムでは、シンギュラリティ大学の各先端テクノロジー分野の一流教授陣からアドバイスを受けながら、シリコンバレーのネットワークを活用することができ、通常では難しいビジネスも実現できるという。

SUラボの企業ポートフォリオには現在34社が登録されている。このほどNASAから100万ドルの契約を獲得した宇宙空間用3Dプリンタ開発のMade in Space社やバイオテクノロジーの活用で人工革を開発するModern Meadow社など注目の企業が揃っている。

シンギュラリティ大学の強みは、シリコンバレーを中心としたイノベーションのエコシステムへのアクセスがあることだ。日本からも「SU Startup Network」や「Innovators Network」に参加することで、情報共有を通じて先端テクノロジーやソリューション開発に関する知識を得ることができる。

Image title

Image titleラボで学ぶ生徒たち

3つ目の軸「グローバルコミュニティ」

マーフィー氏曰く、シンギュラリティ大学の活動に参加する方法でもっとも簡単なのが、この3つ目の軸「グローバルコミュニティ」にアクセスすることだ。

グローバルコミュニティの要は、シンギュラリティ大学の卒業生らが運営するローカルチャプター(支部)。
米国、中南米、欧州を中心に広がっているが、アジアにもインドネシア、シンガポール、台湾にローカルチャプターがある。

そして、このほど東京に世界50番目のローカルチャプターが設立された。東京ローカルチャプターの代表は、GSP1期生のジョバン・レボレド氏。

レボレド氏は、東京ローカルチャプターの運営会社エクスポネンシャル・ジャパンの代表でもある。
シンギュラリティ大学の活動について知りたい、または参加したいというひとはローカルチャプターにアクセスすることで、さまざま情報を得ることができる。

GICが日本で初めて開催されることが決まっただけでなく、2017年にはグローバル・サミットが東京で開催されるなど、シンギュラリティ大学の取り組みは今後日本でも活発化するだろう。
エクスポネンシャル・テクノロジーを駆使して世界にインパクトを与えたいと思っている野心ある日本人は少なくないはずだ。
シンギュラリティ大学の取り組みへの参加がその一歩になるかもしれない。

取材・執筆 :

興味深かった?

0 0
シンギュラリティ大学に突撃取材ー世界中のトップレベルの人々が集結する理由

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Keywords

Back Numbers

  • DRONE RACE
  • AI
  • DRONES
  • Motoaki Saito
  • Biohack
  • FUTURE LIFE
  • Singularity World
  • WORK
  • MOVE BEYOND