シンギュラリティ(技術的特異点)とは?いつ、なにが起こるのか

2017.1.20

人工知能が人類を凌駕し、技術革新スピードが爆発的に加速しだす「シンギュラリティ」=技術的特異点。シンギュラリティは本当に起こるのか。実現するのであれば、いつ、なにが起こるのか。

シンギュラリティ(技術的特異点)とは?

シンギュラリティ(テクノロジカル・シンギュラリティ=技術的特異点)とは、人工知能が人類よりも賢くなり、技術進歩を担い、人工知能がより賢い人工知能を生み出すサイクルを生み出す点のことだ。

シンギュラリティ到来後、技術は爆発的なスピードで発展し、正確に予測することが不可能になる。

シンギュラリティという言葉を技術発展の文脈で初めて使ったのは、天才数学者であり現在のコンピューターの動作原理を考案したとされるジョン・フォン・ノイマン氏(1903ー1957)と言われている。

その後、米国の数学者でSF作家のバーナー・ビンジ氏が1993年の論文「The Coming Technological Singularity 」で、シンギュラリティの概念を広めた。

さらに人工知能の世界的権威レイ・カーツワイル氏が、2005年発刊の『The Singularity is Near(邦題『ポスト・ヒューマン誕生』)』でシンギュラリティは2045年頃に実現するだろうと具体的な時期を予想したことからさまざまな議論が巻き起こった。

最近では、Google傘下のDeepMind社が開発したアルファ碁がトップ棋士に勝利したり、IBM社のワトソンが正確な診断を下したりといったニュースに加え、NHKスペシャルで特集されるなど、日本でもシンギュラリティの認知が広がりつつある。
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シンギュラリティが起こるのはいつか?

カーツワイル氏が2045年頃にシンギュラリティが実現すると予想している一方で、ビンジ氏は2030年より早く起こるだろと予想している。

2012年に開催された「シンギュラリティ・サミット」では、スチュアート・アームストロング氏の調査により、識者の間で予想されるシンギュラリティ実現年の中央値は2040年ということが明らかになった。

日本では、スーパーコンピューターを開発するベンチャー企業PEZY Computingの齊藤元章氏や神戸大学名誉教授の松田卓也氏らが2030年頃にシンギュラリティが実現すると予想している。

また齊藤氏は、シンギュラリティが起こる前に社会的変革となる「プレ・シンギュラリティ」が起こると予想しており、同氏の言動に関心が注がれている。

シンギュラリティの実現可能性とその根拠

シンギュラリティは本当に実現するのか。シンギュラリティ提唱者らがシンギュラリティが起こる要因として挙げるのが「ムーアの法則」「収穫加速の法則」だ。

ムーアの法則とは、世界最大の半導体メーカーIntel社の創設者の1人、ゴードン・ムーア氏が1965年に提唱した「半導体の集積密度は18〜24カ月で倍増する」という法則のこと。

この法則に従えば、半導体の性能はエクスポネンシャル(指数関数的)に向上していき、近い将来コンピューターが人間を凌駕するという予想につながる。

一方で、この法則は半導体の微細加工技術の発展が根拠となっているため、これ以上微細化できないレベルに到達してしまうとされる2010年代にはこの法則は通用しなくなると予想されている。

多くの提唱者はこのことを考慮し、ムーアの法則を半導体だけでなくテクノロジー一般に適用。
さまざまなテクノロジーがエクスポネンシャルに進化していき、その先にシンギュラリティが起こると主張している。

そのなかでカーツワイル氏は、ムーアの法則をテクノロジーだけなく、すべての進化プロセスに適用した「収穫加速の法則」をシンギュラリティが起こる前提として考えている。

収穫加速の法則とは、あるイノベーションが別のイノベーションと結びつくと、新たなイノベーションを起こすスピードが加速し、科学技術は線形ではなく、エクスポネンシャルに進歩するという法則だ。

シンギュラリティ到来後の世界で起こること

シンギュラリティ到来後の世界ではどのようなことが起こるのだろうか。

カーツワイル氏が『The Singularity is Near(邦題『ポスト・ヒューマン誕生』)』で以下のようなことが2045年に実現すると予想している。

・1000ドルで買えるコンピューターがすべての人間を合わせた知能よりも賢くなる
・テクノロジー開発が人工知能によって取って代わられる。

また、人工知能が自己改善サイクルの「暴走反応(runaway reaction)」に突入し、次世代人工知能を次々と生み出す。
生み出される次世代人工知能はどんどん賢くなっていき、この時点からテクノロジーの進歩は爆発的に加速することからどのようなことが起こるか予想できなくなる

このように人工知能が人間より遥かに賢くなるという予想に対して、人工知能が人間を絶滅させてしまうかもしれないという懸念の声が上がったが、カーツワイル氏はシンギュラリティが起こった世界では、人間がサイボーグ化されたり、サイバー空間にアップロードされたりすることで、人間と機械の明確な区別はなくなっており、そのようなことは起こらない(確実ではないが)と考えている。

またカーツワイル氏は、2045年以降は地球を超え、太陽系、銀河系と宇宙レベルでの活動期に入るという予想もしている。
今後ますます広く、深く、そしてエキサイティングになっていくシンギュラリティ議論から目が離せない。

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