八ヶ岳「週末移住」先駆者のビジョンー若い世代に気付きを与えるために#02

2017.4.10

若い世代に新しいライフスタイルへの気付きを。八ヶ岳「週末移住」の先駆者が語る、21世紀の暮らしと働き方を実現する方法。

八ヶ岳「週末移住」のパイオニア、友枝氏が描く未来

東京で働きながら29歳のとき八ヶ岳で「週末移住」を始めた友枝康二郎さん。現在では八ヶ岳に完全移住し、より多くのひとが新しいライフスタイルを実現できるようにと、ライフスタイルデザイナーとして移住希望者のサポートに力を注いでいる。

前編では、友枝さんが東京での暮らしに感じた違和感、八ヶ岳での週末移住を始めたきっかけ、そして完全移住するに至った理由について聞いた。

後編となる今回は、移住者コミュニティの拡大や移住希望者支援の話など今後の取り組みについてお伝えしたい。

友枝さん

友枝康二郎
モリッシュ代表。ライフスタイルデザイナー。1958年熊本生まれ。18歳で上京し、株式会社HONEYにて、ブランディングやイベント企画、ショップデザインに携わる。29歳で脱サラし30年ローンを組み、八ヶ岳のふもと長野県原村にログハウスを建てる。その後家族で週末移住を始め、41歳で家族が完全移住するも自身は平日東京・週末長野の2拠点ライフへ。2011年に完全移住。著書『週末移住からはじめよう: 田舎に小さな家をもつ2拠点ライフ』や自身のブログで精力的に新しいライフスタイルを発信している。

若い世代の移住者が増える理由

先ほど、やっとマイナスからゼロの出発点に立てたとおっしゃいましたが、今後八ヶ岳ライフスタイルデザイナーとしてどのような取り組みに力を入れていこうとお考えですか。

若い世代が早い段階で「気付き」を得られるような情報発信に力を入れたいですね。

ぼくは地元の熊本から上京して、バブル時代の東京でいろんな遊びや体験をしたんですけど、その分八ヶ岳の良さに気付くのが遅かったなと思っています。

自分が遠回りをしたというのもあって、いまの若いひとにはできるだけ早く気付いてほしいという願いがあって書籍やブログで情報発信をしているんですよ。

東京にあこがれてみんな上京する。これは普通のことなんです。でも、ぼくと同じように都会の暮らしに疑問を持つひとがたくさんいると思うんです。

なので、ブログなどを通してこんなライフスタイルもあるんだと伝えていきたいんですよ。

友枝さん

ー実際、友枝さんのブログを通じてすでに70組のご家族が土地を購入され移住されている方もいるので、影響は大きくなっているといえますね。友枝さんのご家族は八ヶ岳ライフについてどのように思っていらっしゃるのでしょうか。

ぼくの家族が八ヶ岳に完全移住したとき、実は子供たちはノリ気ではなかったんですよ。

長男は当時小学校2年生で、こっちに移住したとき「歩いてコンビニにも行けない」とか「東京の方がよかった」とかブツブツ文句ばかり言っていたんですよ。

それで高校まで地元だったんですが、高校を卒業して東京の大学に入学することが決まったとき「やっと東京に戻れる」とうれしがってました。

いまは大学を卒業して、大手IT企業に勤めて3年目なんですけど、最近よく八ヶ岳に帰ってくるんですよ(笑)

しかも、こっちに家を建てたいとか言い出してる。

次男もいまは東京の大学院で建築の研究をしているんですけど、八ヶ岳に戻ってくるようなことを言っていますし、長女も近くで暮らしてます。

結果子供たちは親の背中を見てくれていて、そういうライフスタイルに気付いてくれたんだなとうれしくなりますね。

ー若い世代が東京にはないライフスタイルに魅力を感じているということですね。

そうだと思います。

最近、東京で活躍されているある若いクリエイターの方がこちらに完全移住されることになりました。もともと別荘としてだったのですが、子供が生まれたのをきっかけに移住をしようと決めたようです。

そのクリエイターの方は、家の地下にレコーディングスタジオを作ってそこで作業をされると言っていました。打ち合わせがあるときは、東京まで足を運ぶという仕事スタイルになるようです。


ともえださん

こういう若い世代がどんどん増えてくると、この場所ももっとおもしろくなっていくと思います。

いまやっとマイナスからゼロの出発点に立てたところ。これからいろんな提案をして、おしゃれな家がたくさん建てたば、このエリアのバリューアップにつながっていくと思います。

そしてこの場所を訪れたひとが「楽しそう」ってなれば、この地域がどんどん活性化していく。

いろんなひとがいるので、ビジネスもできるはず。八ヶ岳発で世界に発信できるなにか、これを次のビジョンでやっていきたい。

ただ「田舎暮らし」のプロデュースをするだけでなく、コミュニティをつくりあげたいんです。

東京ではない場所でもコミュニティをつくれるというケーススタディにしたい。ここはそのフィールドだと思っています。

だからこそ役場も巻き込んでいろんなひとに協力してもらって、もっと盛り上げて世界から注目されるくらいにしていきたいですね。

土地と家を合わせて400万円以内 若い世代でもすぐに実行できる「週末移住」

友枝さん
友枝さんの家の隣に置いてあるエアストリーム

ーすごくワクワクする話ですね。こういう話を聞くとすぐにでも週末移住からでも実行してみようと思うひとは多いと思います。

実は、そういう若いひとたち向けの提案もあって、すでに動き始めています。

ぼくを訪ねてすぐに土地を買って家を建てることができるのは、金銭的にも仕事環境的にも恵まれたひとなんです。

一方で、ほかの多くのひとは家を建てるのが難しいとか、仕事的に移住するのが難しいと考えています。

でも実はそうではないと、伝えたい。

だからいま、短期滞在できるMORISHのメゾンをつくろうと動き始めています。

名付けて「MORISH FIELD」。

ここで家を借りながら2拠点ライフをやってみる。住んでみたら意外といけるかなと思うかもしれない。

家族はこっちに住んで、お父さんは東京に通ってというライフスタイルが実現できるかもしれない。

ぼくが2拠点ライフをしていたときは、毎回高速バスで東京に通っていました。片道2400円、往復4800円しかかからない。月に4回とすると2万円以内に収まるんですよ。

東京にいるときは自分だけだから3畳の部屋でもよいじゃないですか。親戚や友達の家に泊めてもらうとかもできる。

仕事があってお金を稼げるので東京も悪くはない。でも住む必要はないよねと提案したい。

もし若いひとで1人で移住するのが難しいと思うのなら、34人でシェアしてみるのもよいと思います。ここでも土地302坪と中古の家を合わせて390万円ほどの物件がある。4人でシェアしたら1100万円くらいなので、車を買う感覚です。

ーたしかに、車を買うくらいの感覚であれば若いひとでもできますね。

八ヶ岳は春夏秋冬、自然の表情がはっきりしていてとてもおもいしろいんですよ。都会では絶対に見ることのできない景色なんです。

いまは冬で白黒の世界。吹雪いているときはすごくきれいな白銀の景色になる。行ったことないけど「これはシベリアだ」ってなりますよ(笑)

八ヶ岳
オフィスの暖炉

これから春が来て新緑の季節になると黄緑色のグラデーションになっていき、夏が来て新緑が濃くなりだんだん深緑になっていく。

そして秋になると紅葉がでてきて山々が燃えるような色になる。

八ヶ岳
友枝さんのオフィスから見える風景

それから日没時のトワイライトタイム、空がだんだんピンクから紫に変わっていく瞬間があったり、オレンジ色に焼ける夕焼けのときはそれが八ヶ岳に反射して八ヶ岳がピンク色に染まる、これは5分くらいしか見ることができない。

このような住んでないと見れない景色がたくさんある。だからぼくはこの山が好きなんですよ。

人生は一度きり、どうせなら楽しく暮らしたいじゃないですか。多くのひとにこういうライフスタイルもあるんだなと気付いてもらえるとうれしいですね。

友枝さん

取材・執筆 :

シゲキ的?

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八ヶ岳

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